『ジークアクス』アニメ版の展開を考察 「キラキラ」「シャロンの薔薇」は何を意味する?

『ジークアクス』TVアニメ版の展開を考察

 『ガンダム』シリーズの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が、4月8日深夜より放送される。アニメファンから大きな注目を集める同作だが、一体どのようなストーリーが繰り広げられるのだろうか。さまざまな前情報を踏まえつつ、その内容について予想してみたい。

 なお、考察にあたって劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の内容に触れているので、ネタバレを避けたい人は注意してほしい。

※本稿は劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』のネタバレを含みます。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』TV Series Promotion Reel

 同作はスタジオカラー×サンライズによるオリジナルアニメ。1月に公開された劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(以下、『ビギニング』)は、興行収入33.4億円、動員202万人の大ヒットを記録している。

 監督は『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズのメインスタッフとして知られる鶴巻和哉で、シリーズ構成・脚本は榎戸洋司が担当。2000年代に『フリクリ』や『トップをねらえ2!』といったヒット作を生み出した2人が、ふたたびタッグを組んだ形だ。さらに脚本の一部には、庵野秀明も携わっている。

 まさにドリームチームのような布陣だが、その内容もかなり強烈。これまで聖域扱いされてきた初代『機動戦士ガンダム』(以下、『ファースト』)の設定を大胆にアレンジするものだった。

 まず『ビギニング』の内容をざっくり振り返っておくと、前提となる世界観は『ファースト』と同じで、人類が大量に宇宙へと移住した宇宙世紀を舞台に、地球連邦とジオン公国の対立が深刻化。激しい戦争の最中、ジオン軍のシャア・アズナブルが地球連邦のコロニー「サイド7」にやってくる。

 シャアは本来アムロが乗るはずだった地球連邦の新型モビルスーツ、すなわちガンダムを奪取すると、自身のトレードカラーである赤色に塗り替え、戦場を無双していく。そしてその活躍の影響か、“正史”では敗北するジオン公国が地球連邦に勝利を収めてしまう。

 さらにそれから約6年後、サイド6のイズマ・コロニーで平穏な暮らしを送るアマテ・ユズリハ(マチュ)という少女が、謎のモビルスーツ「GQuuuuuuX」(ジークアクス)に乗り込んだことで、運命の歯車が巡り出す……。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』TVシリーズ予告編|プライムビデオ

 ではこれから放送されるTVアニメ版では、どのような展開が起こり得るだろうか。『ガンダム』シリーズのファンであれば、やはり『ファースト』のキャラクターが絡んでくる可能性を考えてしまうだろう。

 同作では歴史が大きく変わっているため、『ファースト』で活躍したキャラクターの多くが出番を失っている。本来乗るはずだったガンダムを奪われた主人公のアムロはもちろん、本来悲劇のヒロインになるはずだったララァも出てこない。

 しかし『ビギニング』では、フラナガン博士や「フラナガンスクール」という組織の存在が描かれている。『ファースト』ではララァはフラナガン機関で育成され、同機関の「秘蔵っ子」と呼ばれるほど重要な立ち位置だったので、『ジークアクス』の世界でも何らかの形で物語に絡んでくるのかもしれない。

 とくに注意すべきは、シャアがソロモン落としをめぐる戦いの最中、“ゼクノヴァ”によって消失する前に「刻が見える」というセリフを呟いていたこと。これは周知のように、『ファースト』におけるララァのセリフをオマージュしたものだ。しかもシャアはこの時何者かと会話するような素振りを見せていたので、ほかでもないララァと交信していたのではないかとも考えられる。

 そのほかSNSなどでは、作中でわずかに触れられた「シャロンの薔薇」という謎のオブジェクトについて、ララァとの関係を疑う人の姿が見受けられる。

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