『べらぼう』の“明るい横浜流星”をずっと見ていたい 陰のある役が似合うからこそ映える光

もちろん、笑顔が印象的な人懐っこいキャラクターを演じることもある。『着飾る恋には理由があって』(2021年/TBS系)では、スマホは持ち歩かない自由気ままなキッチンカー店主・藤野駿を演じた。しかし藤野には、期待されて店を構えるも、あっという間に店を潰してしまったという過去があった。
ほかにも『インフォーマ』(2023年/カンテレ)では主人公・木原慶次郎(桐谷健太)の弟分・河村愛之助を演じている。裏社会に身を置く愛之助は、ナナ(北香那)との間に授かった新しい命のために仕事に打ち込むが、木原と共に事件に巻き込まれ、最後は射殺されてしまう。愛之助は過去の人として描かれるので登場シーンはそこまで多くはない。ただ、暴力的なシーンのあるドラマで、明るい光を放つ愛之助の笑顔に、救われた人もいるのではないだろうか。
横浜流星、佐野弘樹、宮田佳典が重宝される理由 作り手と俳優の“幸福な関係”とは?
映画やドラマ、演劇といったフィクション作品は、私たちの生きる現実社会の鏡だ。とすれば、それぞれの物語世界の中で生きる俳優たちは、…陰のある役だけでなく、その影と対比して描かれるような明るい役も魅力的に演じる横浜。蔦重の影をあえて探すのであれば、いまのところ幼い頃に両親と生き別れたというエピソードぐらい。果たして蔦重の影は今後描かれていくのであろうか。とにかくいまは、このまま明るい横浜流星を見ていたいと思ってしまう。
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
総合:毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
BS:毎週日曜18:00〜放送
BSP4K:毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK






















