『おむすび』は“私たちの今”を肯定する朝ドラだった 震災・コロナ禍にも負けないギャル魂

時間軸としては詩が米田家の家族になった1年後、舞台は糸島。愛子と聖人(北村有起哉)が始めた「よねだイチゴ農園」は大繁盛。糸島に来てすっかり元気に若返った聖人はジャズが流れる軽トラで出張カットに出かけていく。陽太(菅生新樹)と恵美(中村守里)の牡蠣小屋「恵陽丸」も盛況で、結がビール片手に焼き牡蠣を頬張るタイミングで、「イルミネーション」が流れ出す。思わず「ここで!?」とツッコミを入れてしまったが、よくよく考えると結が詩に伝えていた「みんなで食べたら、忘れられん楽しい思い出になるんよ」という言葉を体現しているということでもある。

結と翔也(佐野勇斗)が出会った海辺で、花(新津ちせ)を前にイチャつき、これまでの名場面が流れるタイトルバックへ、という流れは、王道の朝ドラの形であり、それは震災やコロナ禍を経て掴んだ輝く今でもあるはずだ。阪神・淡路大震災から30年の年に放送された『おむすび』。好きなことに真っ直ぐ進み、自分らしく生きる結をヒロインに、私たちの生きる今を明るく肯定する朝ドラでもあった。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、新津ちせ、大島美優
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK






















