松山ケンイチ「怪しい人選手権」で三連覇 『クジャクのダンス』赤沢刑事に待ち受ける宿命

『クジャク』“赤沢刑事”藤本隆宏を待つ宿命

 心麦とともに事件の真相を追いかける弁護士・松風を演じている松山ケンイチは、台本によって一足早く結末を知るまで「怪しい人選手権」と題し、自身の公式X(旧Twitter)のアンケート機能を使って犯人と思う人に投票してもらい、公開していた(※2)。赤沢刑事はそのアンケートで第1回から第3回まで1位となり、松山も初回からずっと怪しまれている赤沢刑事に「3連覇達成もうこの人が犯人でいいんじゃないでしょうか」とコメントしていたほどだ(※3)。

 しかし、心麦が少しずつ真相に近づいていった今では、「春生を殺した犯人は絶対に捕まえたい」という強すぎる思いや、「心麦の出生に関する秘密を守りたい」という思いが赤沢刑事の怪しい行動に繋がっていたのだと理解できるだろう。赤沢刑事、なんとも愚直な男である。

 一方で、赤沢刑事は、やや“うっかり”したところも見せている。ドラマの後半では春生の「冤罪リスト」に名前が挙げられており、殺されてしまった阿波山京一郎(井上肇)とまのか(大島蓉子)夫妻が飼っていた犬の毛がスーツに付着していたことから、一転して事件への関与が疑われてしまっている。また、心麦たちをアシストする形で事件の真相に近づいている週刊誌記者の神井(磯村勇斗)には、すれ違いざまにGPSをポケットに仕込まれるという、警察官としては致命的なミスを犯している。前半では“怪しすぎる男”だった赤沢刑事だが、こんな人間味あふれるところも垣間見えるのだからとても魅力的だ。どんな形にせよ、彼の行動によって、心麦たちは林川家で京子と対峙することに。赤沢刑事は、本人が意図しているかに関わらず、真相を解き明かすキーパーソンとなっているといえるのかもしれない。

 第9話のラストでは京子に刺されてしまったようで、血を流して倒れていた赤沢刑事。彼の抱えている宿命とは一体何なのだろうか。

参照
※1. https://hsejapan.wixsite.com/hillstonemen/takahiro-fujimoto
※2. https://x.com/K_Matsuyama2023/status/1887997551808495810
※3. https://x.com/K_Matsuyama2023/status/1889147357620531697

『クジャクのダンス、誰が見た?』の画像

金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」

「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。

■放送情報
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン、瀧内公美、絃瀬聡一、野村康太、清乃あさ姫、斉藤優(パラシュート部隊)、酒井敏也、酒向芳、藤本隆宏、西田尚美、仙道敦子、原日出子、リリー・フランキー、磯村勇斗
原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社『Kiss』所載)
脚本:金沢知樹
プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS

 

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