松山ケンイチはなぜマンガ原作作品への起用が多いのか 過去作での“共通点のなさ”が理由?

松山ケンイチはなぜ実写化作品へ起用が多い?

 いわゆる“若手”に位置付けられる俳優で、マンガを原作とした映画やドラマで活躍する者は非常に多い。その理由のひとつとしては、原作の登場人物が若者であるため、実写化される際には必然的に若手俳優が必要になってくるというものだ。けれども若手時代だけでなく、そのキャリアをとおしてマンガ作品の実写化に貢献し続ける俳優も当然ながら存在する。そのひとりが松山ケンイチだ。現在は放送中の『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)で主要な役どころを好演しているところである。

 本作は、「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都による同名マンガ作品をドラマ化したもの。クリスマスイブの夜に元警察官である父親を殺された娘が、彼の遺した手紙を手がかりに、真相に迫っていくヒューマン・クライム・サスペンスだ。

 主人公は大学生の山下心麦(広瀬すず)で、松山が演じるのは彼女とともに事件の真相を追う弁護士・松風義輝である。理屈っぽい性格の持ち主だが、真面目で世話焼きな一面もあり、山下親子とは何の接点もないものの、自分のことを頼り、ひたむきに真実を知ろうとする心麦に協力することを決意した。“殺人事件”が物語の起点になっているため、シリアスな展開も多々あるが、心麦と松風のやり取りはコミカルなものであることも多い。主演の広瀬と松山のコンビによる掛け合いは、柔軟で力強く、とても見応えがある。心麦と松風の関係はこれからより深まっていくのだろうし、それにあわせて演じ手たちのパフォーマンスも変化し、より純度の高いものになっていくのだろう。

 さてここで、冒頭で述べたことに話を戻そう。そうなのだ、松山はマンガを原作とした数々の作品で主要な役どころを務め、ヒットに貢献し、そのすべてを自身の代表作としてきた俳優なのだ。

 2006年に公開された『デスノート』と『デスノート the Last name』で演じたL/竜崎は、彼のキャリア初期のハマり役にして当たり役で、俳優・松山ケンイチの名を一気に世に知らしめた。同作で彼の存在を認識した方は非常に多いことと思う。続く『デトロイト・メタル・シティ』(2008年)では心優しい青年とデスメタルバンドのフロントマンというふたつの顔を持つ人物を怪演。さらに、『カムイ外伝』(2009年)、『GANTZ』『GANTZ PERFECT ANSWER』(ともに2011年)といったアクション映画では、自身の身体能力の高さを示してみせた。

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