北村匠海が現場で感じた“今田美桜を求めている空気” 『あんぱん』の大切なテーマについても

NHK連続テレビ小説『あんぱん』の第1週完成試写会見が3月10日にNHK放送センターで開かれ、ヒロインを務める今田美桜、共演の北村匠海、制作統括の倉崎憲が登壇した。
朝ドラ第112作目となる本作は、『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルとした勇気の物語。気が弱くて自信のない柳井嵩を北村、激動の時代を共に生き、どんな時も励まし、牽引し続けたヒロイン・朝田のぶを今田が演じる。なお、今回の会見はマスコミ向けに第1週の試写が行われた上で開かれている。
今田と北村が朝田のぶ、柳井嵩として、本格登場するのは第3週から。第1週目と第2週目では、のぶの幼少期をキャスティングで選ばれた永瀬ゆずな、嵩の幼少期はオーディションで選ばれた木村優来が演じる。今田は永瀬の演技を「とても快活なのぶを作り上げてくれた」と称賛。さらに北村も木村の芝居を「どこを見ているか分からない目線やネガティブともポジティブとも取れない曖昧な表情、そこから大人になっていくたかしのルーツの部分を作ってくれています。不思議な魅力を持った子」と絶賛している。

第1話の冒頭には今田と北村が演じる、50歳頃ののぶと嵩が登場する。「アンパンマン」が生まれる直前の、やなせたかしが描いたイラストと連動した、これまでの朝ドラにはない演出となっている。今田はこのシーンについて「2人のかわいらしさが出ている」と振り返り、北村はやがて演じることになる未来の自分たちに、どう道筋を作っていくかを考えていったと話す。楽しむしかないという結論に至り、現場に入る前の映ることのないステップの部分にも「アンパンマン」のフェルトが貼られており、常にスタッフ陣が今田と北村を楽しませようとしてくれていたと感謝を伝える。
また、シーンのラストにある「朝ごはん食べます」といったニュアンスのセリフは北村のアドリブだったらしく、今田も「採用されてたね」と笑顔を見せる。それに北村は「2人のやり取りってそういう柔らかさだったり、ちょっとしたゆるさがあったりすると思っていたので採用されてよかった」と嬉しそうに話し、これから放送されていくにあたって、この冒頭の2人のシーンが「みんなの頭の片隅に残ってるといいなと思います」と思いを覗かせる。
その冒頭シーンでの「まだ描きゆ?」というセリフを例に、今田はのぶとして舞台となっている高知県の土佐弁を劇中で口にしている。「かわいくて大好き」という今田は福岡出身で少しニュアンスが分かるところがあるが、撮影当初はなかなか苦戦していたようだ。撮影の合間も土佐弁で話したり、北村がイントネーションが似た言葉を見つけるのが上手だと今田が話すと、北村は自慢げに「天才なんです。検索エンジンが最新式で」とマスコミ陣の笑いを誘っていた。

脚本を担当する中園ミホは、数年やなせと文通をしていたという運命的なエピソードを持っており、今田は『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)シリーズでも中園の脚本作品に出演している。北村は中園の脚本について、「やなせさんの言葉がたくさん込められていて、ある意味、中園さんとやなせさんの合作本のような印象」と説明。嵩の叔父にあたる柳井寛(竹野内豊)のセリフをはじめ、「やなせさんの言葉を引用していたり、それが人生のテーマになっていったりする」と解説した。





















