北村匠海が現場で感じた“今田美桜を求めている空気” 『あんぱん』の大切なテーマについても

北村匠海、今田美桜の座長ぶりを絶賛

 今田と北村は今作で6度目の共演となる。クランクインから半年が経ち、今田は「冷静で柔らかくて、『あんぱん』を撮影していると等身大な部分が見える部分もたくさんあって、そこにほっとしたりする」「嵩の嬉しそうな顔を見ると、のぶとして嬉しくなる瞬間があります」と『あんぱん』での撮影を重ね見えてきた北村の新たな一面を話す。

北村匠海

 今田が共作として映画『東京リベンジャーズ』を挙げていたことから、北村は「たくさん救ってきたんですけどね」とイタズラにコメントしながら、「序盤から中盤にかけて、今度は嵩がのぶに救われる」と逆の立場であることを明かし、今田の役者としての魅力に「今起きていることをキャッチして、自分自身の感情として表現する力」を挙げた。また、北村は現在27歳の嵩として、本作における重要な戦争パートを撮影しており、男性のみのむさ苦しい現場のため、“今田美桜を求めている空気”を感じるという。つまりは、「のぶがいてこその『あんぱん』という作品」であり、「今田美桜が現場に戻ってどう変わるのか」が楽しみだと北村は続ける。なお、現在の戦争パートは、軍隊の所作など「別作品を撮っているよう」だと話し、「嵩としても人生観が変わるタイミング」だという。

 「アンパンマン」が体現している“逆転しない正義”は本作における大切なテーマとなっている。“逆転しない正義”についてどう捉えているか聞かれた北村は、やなせが「アンパンマン」を通して子供たちに紡がれていったことであり、「悪い奴を倒すことが正義ではなく、飢えている人に食べ物を分け合ったり、生きるということと食べるということは僕は直結だということを改めて感じています」と考えを述べる。「逆転しない正義とは、食べることであり、生きることなんだろうなというのはいろんなシーンで感じています」と話す北村は実際に絶食をして実際に飢えを体験し、芝居に臨んでいるという。食べて涙が出るといったシーンは、第1週でも大事に描かれている。「阿部(サダヲ)さん演じる屋村さん=ジャムおじさんが、あんぱんを焼いてくれるんですけど、本当にあったかいんですよ。今の時代だからこそ、大事にしたい感情だなと思ってます」と北村は真摯に思いを伝えた。

今田美桜

 北村のコメントを受けて、今田は「私は正直、模索中です」と素直に話す。現在撮影中のシーンが、のぶが信じていた正義が逆転し始めている最中だというのだ。北村が話していた“逆転しない正義”も肯定しながら、今田は「やなせさんが伝えたいことはシンプルで、生きる上で楽しいことだけじゃないし、悲しいこともある。私たちが当たり前にしていることを温かく包み込みながら、伝えてくれているんだなというのを感じます。“逆転しない正義”というのも『あんぱん』の撮影が終わった時に、自分の中で答えが見つけることができたらいいなと思っています」と未来の自分に思いを託していた。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、3月31日(月)スタート 全26週(130回)
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、吉田鋼太郎、浅田美代子、細田佳央太、松嶋菜々子、二宮和也、中沢元紀、瞳水ひまり、戸田菜穂、竹野内豊
作:中園ミホ
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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