『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人の演技はさらなる高みへ 傑作を生んだ舞台裏も必見

『キングダム 大将軍の帰還』のアツい撮影裏

 さて、ここまで記してきたように、本作が主として描くのは、王騎と龐煖の頂上決戦である。このふたりには深い因縁があり、やがて彼らの過去が明かされることに。そしてそれは、王として嬴政(吉沢亮)が統べる秦国のひとつの歴史にも関わるものだ。そのような作品だから、信の役まわりはいつもと少し違う。王騎と龐煖の激闘を中心としている本作において、彼はこれを脇から支えるようなポジションにある。だから必然的に、主演の山﨑の役どころもいつもとは変わってくる。

 この『キングダム』シリーズをとおして、山﨑のアクションは進化し、演技者としての力は練り上げられてきた。彼は各タイトルの看板を背負う紛れもない主演俳優だが、前に出ることだけが仕事ではない。それは信が最前線で死力を尽くすことだけが役目ではないのと同じである。周囲の状況や流れを見て、引くところは引き、耐えるところは耐えなければならない。「天下の大将軍」までの道のりはまだまだ長く険しいが、じつに頼もしい存在なのだと自ら示してみせている。

 冒頭で触れているように、このたび発売されるBlu-ray&DVDには映像特典のひとつとしてメイキングが収録されている。ここに収められているのは撮影の裏側の様子であり、一つひとつのシーンがいかにして生み出されていったのか、そして、一人ひとりの俳優が何を大切にして撮影に臨んでいたのかを知ることができる内容になっている。アツい現場は意外にも和やかで、参加者が互いにリスペクトし合っているのがよく分かる。それに本作の撮影がはじまったのは、2020年の9月のこと。つまり、新型コロナウイルスが猛威を振るう中での撮影だったわけだ。その困難に立ち向かうスタッフ陣の活躍にもフィーチャーしており、「映画」というものがどのようにして立ち上がっていくのかを、私たちは改めて理解することになるだろう。誰もがそれぞれのポジションで闘っているのだ。

 さらに、主演の山﨑、大沢、佐藤信介監督、プロデューサーである松橋真三らによる座談会の映像も収録。「<一つの時代>を終えた信と王騎の物語 徹底総括SP!(スペシャル)」と題し、ここまでの一大プロジェクトをそれぞれの立場から振り返り、語っている。多くの仲間たちと別れ、そしてさらなる高みへ――。信は偉大なる将軍から何を受け取ったのか。山﨑は先輩である大沢から何を得たのか。Blu-ray&DVDを手に入れて、その答えを目の当たりにしてほしい。

■リリース情報
『キングダム 大将軍の帰還』
3月12日(水)ブルーレイ&DVDセット発売

ブルーレイ&DVDセット プレミアム・エディション(3枚組):8,789円(税込)
ブルーレイ&DVDセット 通常版(2枚組):5,280円(税込)

【映像特典】
<本編ディスク> ※通常版にも収録
・予告集
・TVスポット集

<ボーナス ディスク> ※プレミアム・エディションのみ収録(ブルーレイ)
・メイキング
・山﨑賢人×大沢たかお×佐藤信介監督×松橋真三プロデューサー 座談会
「<一つの時代>を終えた信と王騎の物語 徹底総括SP!(スペシャル)」
・舞台挨拶映像:ワールドプレミア、前夜祭イベント、初日舞台挨拶
・ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル
・「Beyond the SCENE TALK」映画『キングダム 大将軍の帰還』
・「Beyond the SCENE」映画『キングダム 大将軍の帰還』写真家 菊池修 インタビュー

【プレミアム・エディション 仕様・封入特典】
・特製ブックレット(40P)
・キャラクターブロマイドカード(6種)×特製カードケース
・原作イラスト ビジュアルカード(6種)
・特製デジトレイ&アウターケース

出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、山田裕貴、岡山天音、三浦貴大、新木優子、吉川晃司、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、山本耕史、草刈正雄、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、小栗旬、大沢たかお
原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉・原泰久
音楽:やまだ豊
主題歌:主題歌:ONE OK ROCK 「Delusion:All」(Fueled By Ramen / Warner Music Japan)
発売協力:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©原泰久/集英社 ©2024映画「キングダム」製作委員会

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