宮本信子、夫・伊丹十三との思い出を明かす 塚原あゆ子監督との『海に眠る』裏話も

宮本信子&塚原あゆ子が語る伊丹映画の凄さ

 宮本と塚原監督は、2024年に放送されたTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』で作品を共にした。塚原監督は「台本をお読みになって現場に入るとき『私、こういうことを考えてきたわ』と仰ってくださるんです。監督としてはとても幸せでした。一緒に考えて挑んでいける感じがとても素敵だなと思えたんです」と俳優としての宮本の姿に、大きな感銘を受けたという。特に最終回で端島に降り立った宮本が昔の家に向かって走っていくシーンは「まさか走られるとは思わなかったので、スタッフもみんな驚かされたんです」と楽しそうに語っていた。

 そんな塚原監督について宮本は「本当に頼もしいんです」と笑顔を見せると「とにかく決断がはやい。ご自身の頭のなかにしっかりと絵があるんでしょうね。余分なカットを取らないんです。とても撮影のリズムが良いのでやりやすいですし、とにかくカッコいい。しっかり俳優ともコミュニケーションを取ってくださるので、とても幸せな現場でした」とこちらも大絶賛していた。

(左から)塚原あゆ子、宮本信子

 監督と共に作品を作り上げていたという宮本。しかし伊丹監督の現場では「一切言いません。言える雰囲気ではございませんの」と笑う。それでもリハーサルのとき、台本と違ったことをやることはあったというと「たまに『そうきたか』と言われたときは嬉しかった。でも本が完璧で“てにをは”も間違えてはいけないので、一字一句正しく自分のものにして芝居をする必要がありました」と伊丹組ならではの緊張感を述べていた。

(左から)塚原あゆ子、宮本信子

 最後に宮本は「伊丹さんが亡くなって27年になります」としみじみ語ると「そんな長い時間が経っているのに、こうした映画祭をやっていただけるというのは、皆さんが伊丹映画のファンでいてくださったからこそだと思います。伊丹さんもこういう映画祭を開催してくださるなんて、とても幸せだと感じていると思います。皆さんありがとうございます」と深々と頭を下げ、感謝を述べていた。

■公開情報
「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」
上映期間: 2月21日(金)~5月1日(木) 各作品1週間上映
公開劇場:TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田
『お葬式』2月21日(金)〜2月27日(木)
『タンポポ』2月28日(金)〜3月6日(木)
『マルサの女』3月7日(金)〜3月13日(木)
『マルサの女2』3月14日(金)〜3月20日(木)
『あげまん』3月21日(金)〜3月27日(木)
『ミンボーの女』3月28日(金)〜4月3日(木)
『大病人』4月4日(金)〜4月10日(木)
『静かな生活』4月11日(金)〜4月17日(木)
『スーパーの女』4月18日(金)〜4月24日(木)
『マルタイの女』4月25日(金)〜5月1日(木)
配給:日本映画放送
©伊丹プロダクション

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