『お葬式』『マルタイの女』などがスクリーンに 「伊丹十三4K映画祭」2月21日より開催
![「伊丹十三4K映画祭」2月21日より開催](/wp-content/uploads/2025/01/20250130-itami-00003.jpg)
2月21日よりTOHOシネマズ 日比谷・梅田にて、伊丹十三監督全10作品の4Kデジタルリマスター版を上映する特別企画「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」が開催される。
「伊丹十三4K映画祭」では、映画監督デビュー作となった『お葬式』(1984年)を皮切りに、『タンポポ』(1985年)、『マルサの女』(1987年)から『マルタイの女』(1997年)まで、全10作品が4K最高画質で1週間ずつ上映される。
配信サービスでは観ることができず、劇場で観る機会も限られている作品を、改めてスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となる。
5月には日本映画専門チャンネルにて、伊丹映画全10作品が4K最高画質で一挙放送される。
なお、2月22日には、TOHOシネマズ 日比谷にて俳優・宮本信子と塚原あゆ子監督の登壇イベントが決定。スクリーン12での『お葬式』上映後に、伊丹映画全10作品に出演する宮本が、映画『ラストマイル』(2024年)、『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)などの塚原監督とともに、伊丹映画の魅力について語る。
チケットは2月15日0時発売開始される。
また、今回の特集上映にあわせて、日本映画界を代表する監督たちからコメントが寄せられた。
コメント「いま劇場で伊丹映画を観る喜び」
岩井俊二
伊丹十三さんはかつて、とある映画をプラモデルのようだと語っておられたが、そんな伊丹さん自身が作る映画は、まるで極上のマジックのようで、お葬式でも脱税でもスーパーマーケットでもなんでも映画に変えてしまうそのこと自体もマジックだったが、どの作品の、どこをどう分解して、細かく切り取ってみても、タネも仕掛けもまるでわからぬばかりか、そのカケラのひとつひとつがどこまでも見事に映画なのであった。
周防正行
伊丹十三が活躍した時代、映画は映画館で観るから映画だった。その後のフィルムからデジタルへの移行は、視聴形態だけではなく、どう作るかということについても大きな変化をもたらした。伊丹十三はフィルムで育った映画人であり、同時にテレビを含むあらゆるジャンルを横断する表現者だった。伊丹映画を劇場で観る楽しさは、改めて「映画とは何か」という問いを突きつけられることだ。ぜひ、二十世紀最後の映画を味わってほしい。
山崎貴
伊丹映画は時代のレンズだったと思います。その時代ごとの社会問題をあぶり出し、それをドキュメンタリーではなく、とびきり上等のエンターテイメントとして観客に届けるという誰も出来ないことを飄々とやってのけたのが伊丹映画の素晴らしさだったと思います。
絶対誰もエンタメに出来るとは思わない場所からとんでもない原石を掘り出して皆に届ける…凄いのはその磨き上げた宝石が今もなお全く輝きを失っていないということです。
奥山大史
いつか映画を撮ってみたいと思い始めた頃、伊丹十三監督の映画を観ては、その映画を撮る過程について記された本を読む、というのを繰り返していた時期があります。
「映画というのは現実を映すのではなく、フレームのなかに現実を作り出すのだ」
「百の演技指導も、一のうってつけの配役には敵わない」
「美的感覚とは、嫌悪の集積である」
そんな言葉たちに触れながら観終えた10作からは、あまりにも多くのことを教えてもらいました。
やっとスクリーンで観られる。楽しみでなりません。
のん
伊丹十三監督の作品は、画作りが本当にかっこいい。衣装、美術、ヘアメイク、全てのディティールがおしゃれで、配置される構図は伊丹監督の描いたイラストのようにチャーミングでユーモラス。 しかし私は伊丹作品を、DVD映像でしか観たことがない…!あの、日本社会に息づくスリルが閉じ込められた数々の傑作達を映画館のスクリーンで観られるなんて、心ときめきます。
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■公開情報
「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」
上映期間: 2月21日(金)~5月1日(木) 各作品1週間上映
公開劇場:TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田
『お葬式』2月21日(金)〜2月27日(木)
『タンポポ』2月28日(金)〜3月6日(木)
『マルサの女』3月7日(金)〜3月13日(木)
『マルサの女2』3月14日(金)〜3月20日(木)
『あげまん』3月21日(金)〜3月27日(木)
『ミンボーの女』3月28日(金)〜4月3日(木)
『大病人』4月4日(金)〜4月10日(木)
『静かな生活』4月11日(金)〜4月17日(木)
『スーパーの女』4月18日(金)〜4月24日(木)
『マルタイの女』4月25日(金)〜5月1日(木)
2月22日(土)TOHOシネマズ 日比谷スクリーン12での「お葬式」上映後には、宮本信子と塚原あゆ子による登壇イベントを開催
2月21日(金)より、入場者特典として、復刻版チラシブックを配布
映画公開当時のビジュアルのままに、伊丹十三監督自らが各作品を紹介しているチラシ裏面も完全収録した豪華版
※先着・数量限定のため、なくなり次第配布終了
※特典は非売品です。転売、内容の複写・複製・転用・SNSなどでの配信等の行為は一切禁止。
配給:日本映画放送
©伊丹プロダクション