『アンサンブル』は弁護士ものなのに恋バナばかり? 実は相性が良い“法律”と“恋愛”

『アンサンブル』弁護士ものでも恋バナばかり

 さらに『アンサンブル』では、依頼者の恋愛トラブルで得た学びを瀬名の恋愛になぞらせる節がある。婚約者が突如行方をくらませた第1話では「相手を好きならばまずは信じて飛び込んでみること」、10年前の浮気を訴えた第2話では「過ごした時間は決して無駄にはならないこと」。『虎に翼』(NHK総合)を観た視聴者が、法律の問題は決して他人事ではなく、むしろ今の私たちと地続きであると感じたように、瀬名もまた、依頼人たちの恋愛を通して、揺れ動く自分の恋心に想いを馳せるのである。また、恋愛という不確定事項を、言語化が得意なキャラクターたちによって、ロジカルに解き進められることも、リーガルドラマならではの良さだろう。


 さて、ここまで書いてはみたのだが、2月8日放送予定の第4話で、瀬名たちが法廷にカムバックするかはわからない。というのも、第4話では、5年付き合ったにもかかわらず8年間姿をくらませ、さらに小学6年生の娘がいることが発覚した宇井が、いまさら瀬名にプロポーズしようとするらしいのだ。法廷どころではない。今をときめく松村北斗に対して、どんな役柄でも視聴者を魅了してきた田中圭が逆境の中でどこまで巻き返すのか、まさに世紀の大決戦である。

 今年3月に幕を閉じる同局の『行列のできる相談所』(元:『行列のできる法律相談所』)のように、今作もいつしか“法律”要素が外れてしまうのではないか……そんなことを含めて、『アンサンブル』は目が離せない今期注目の一作なのだ。

『アンサンブル』の画像

土ドラ10「アンサンブル」

“現実主義”の女性弁護士と“理想主義”の新人弁護士との恋模様を描くリーガルラブストーリー。

■放送情報
土ドラ10『アンサンブル』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:川口春奈、松村北斗(SixTONES)、板谷由夏、長濱ねる、じろう(シソンヌ)、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督:河合勇人ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽:澤田かおり
主題歌:aiko「シネマ」(PONY CANYON)
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/ensemble/
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