実写版『機動戦士ガンダム』で描かれる時代・世界は? 過去の実写プロジェクトから考察

ただ、Netflixが2024年に配信したフル3DCGアニメーションによる『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』は、最初の『機動戦士ガンダム』と同じ宇宙世紀という時間軸の上で、ヨーロッパ戦線におけるジオンのモビルスーツ乗りたちと連邦の新兵器ガンダムEXとの壮絶な戦いを描いたミリタリーSFとなっていた。配信によって日本のアニメが世界中に出て行く中で、『機動戦士ガンダム』への理解が広まっていることから、実写によってアニメ『機動戦士ガンダム』を描き直していくことを決断し、『GUNDAM』という正面突破のタイトルを掲げたと言えそうだ。
こんなに“怖いガンダム”はない! Netflix『復讐のレクイエム』はファンが観たい一作に
飛び交う銃弾を浴びて、兵士が血しぶきをあげる。巨大なマシンガンが火を噴いて、戦車が炎に包まれる。ここは血と硝煙の匂いで満ちた戦場…残る問題は、誰がどのようなキャラクターを演じるかだ。ガンダムファンの多くが、かねてから本格的な実写化を期待しながらも難しいと思っていた背景に、1997年に発売されたプレイステーション用ゲーム『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』の苦い思い出がある。インタラクティブムービーという形式で、実写映像を見ながら進めていくゲームに登場するシャアが凄まじかったのだ。太っていて顎が割れていて、シリーズきってのイケメンというシャアにはどうしても見えなかった。
日本の漫画やアニメが海外で実写化されるときにつきまとう「お前は誰だ?」問題は、今も解消され切ってはいない。Netflix版実写ドラマ『ONE PIECE』のように原作者も納得のキャスティングが誕生したのも、裏返せばそこに至る過程でミスマッチが繰り返され、悔しい思いを抱いていた人たちがいたからだ。『GUNDAM』でもキャスティングが重要になることは間違いない。シャアを演じるのは誰なのか? そこが問題だ。






















