『怪獣ヤロウ』のぐんぴぃは“バキバキ”過ぎてカッコいい 「K.U.F.U」にあふれた映画愛に涙

その後、ときは飛んで20年後。冴えない公務員となった山田だったが、ひょんなことから映画作りを任され、紆余曲折を経て、“怪獣ヤロウ”になるというのが本作のあらすじです。挑戦、失敗、改善、成功という王道の型で物語は進んでいくので、ある意味安心して映画を観ることができます。その分、展開の予想もしやすいのですが、その点にK.U.F.Uを凝らしているのが本作のいいところ。岐阜県関市の売りをものの見事に劇中の怪獣映画製作に組み込み、手作りの感触をはありながらも、安っぽくはならない。監督をはじめとした制作陣が考え続けて作ったことが垣間見えます。

そして何よりも主演のぐんぴぃ。彼の代名詞となった“バキバキ”へのセルフオマージュサービスシーンもあり、“芸人”の一面はもちろんあるのですが、それ以上に“役者”としてとにかくいい。応援したくなる不思議な魅力が備わっています。
持っていないやつの象徴であった山田一郎が、すべてをぶっ壊し、持っているやつになる。いや、持っていないやつだった自分を壊すその姿には勇気づけられました。
映画作りをしたことがある方はもちろん、かつて何かを目指して途中で違う道を選んだことがある方は、本作のぐんぴぃの姿に胸を打たれると思います。ちりばめられた特撮映画のオマージュも含めて、映画愛にあふれた本作。映画館で観るのが一番のオススメです。
■公開情報
『怪獣ヤロウ!』
全国公開中
出演:ぐんぴぃ、菅井友香、手塚とおる、三戸なつめ、平山浩行、田中要次、麿赤兒、清水ミチコほか
監督・脚本:八木順一朗
製作総指揮:太田光代
製作:小野寺嗣夫、中村優子、髙澤吉紀、福浦与一、松岡雄浩、磯野史訓、三上政高、飯田義典、渡辺章仁、和田絵美子
プロデューサー:和田有啓、佐藤雅彦
音楽:ゲイリー芦屋
配給:彩プロ
企画・制作:ファニーパンドラ
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/80分
©チーム『怪獣ヤロウ!』
公式サイト:kaijuyaro.com
公式X(旧 Twitter):@kaiju_yaro
公式Instagram:@kaiju_yaro






















