瀬戸康史が秘める“憎めない愛らしさ” 『119』『TOKYOエアポート』で放つ緩急のある芝居

瀬戸康史が秘める“憎めない愛らしさ”

「声と音だけの限られた情報から、電話の向こうの状況を想像する」

 1月13日よりスタートした月9ドラマ『119 エマージェンシーコール』(フジテレビ系/以下、『119』)では、交通事故にショッピングセンターでの火災などを通して、日々起きている火事・救急の裏でどのように人々が動いているのかを目の当たりにした。

 清野菜名演じる主人公・粕原雪は、銀行での勤務を経て、消防局にやってきた新人。2年間の現場勤務を終えて、現在は消防局の通信指令センターで119番に電話をかけてきた人々の応対をしている。

 そんな彼女を厳しく指導するのが、兼下睦夫(瀬戸康史)だ。物語の冒頭、いたずらで電話をかけてきた人に丁寧に対応する雪に割り込み、「こんなジャンクコールに長々対応する必要ない」と言い放った。冷淡な性格で、教育係に向いていないと自分でも話している睦夫。自分の電話での応対は正しかったのか確認したがる雪に対して、指令官制員の仕事は救急車や消防車が到着するまでの“つなぎ”だと釘を刺す。

 瀬戸の演技を振り返ってみると、見えてくるものがあった。まず彼の指令管制員としての仕事ぶりを見て思い出したのは『TOKYOエアポート〜東京空港管制保安部〜』(フジテレビ系)だ。羽田空港の航空管制官たちの葛藤を描いた同作で、瀬戸が演じたのは自信家の若手管制官・佑司。プライドが高い性格だが、次第に主人公の香織(深田恭子)の仕事ぶりに影響されて、相手の立場になって仕事をすることを学んでいく。佑司には『119』の睦夫と同じようなプライドの高さを感じ、さらに仲間たちへの思いやりも垣間見えた。

 また、クールなイメージもある瀬戸は、『院内警察』(フジテレビ系)では無表情で感情が読めない天才外科医に。院内交番に勤める治(桐谷健太)との過去の関係から対立することも多く、近寄り難さを感じるキャラクターだが、何を考えているのか知りたくなってしまう空気感も持ち合わせていた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる