阪神・淡路大震災から30年 震災当日に『おむすび』が描いた視聴者へのメッセージ

阪神淡路大震災の日『おむすび』が描いたもの

 2025年1月17日。阪神・淡路大震災から30年。被害の大きかった神戸では今朝、発災時刻の5時46分に祈りが捧げられた。火が灯された灯籠が並べられ形作ったのは、「よりそう」という文字だ。

 NHKをはじめ、各局の報道番組や新聞、WEB記事が阪神・淡路大震災の特集を組んでおり、アフター震災世代を題材にした映画『港に灯がともる』が本日公開されるなど、多くの人たちが犠牲者を追悼しながら、記憶を継承していこうと一歩一歩進み続けている

橋本環奈、『おむすび』結婚・妊娠・出産のオフショット公開 佐野勇斗とのペアルックも

NHK連続テレビ小説『おむすび』で主演を務める橋本環奈が、1月14日に自身の公式X(旧Twitter)にてオフショットを公開した…

 朝ドラという最も多くの人々が視聴すると言っても過言ではない枠の中で、リアリティーを持って阪神・淡路大震災を伝えてきたのが『おむすび』(NHK総合)だ。第75話にて、劇中では2012年1月17日。震災発生から17年の神戸の姿が描かれた。第15週全体としては、結(橋本環奈)の重症妊娠悪阻と愛娘・花の出産、東日本大震災の発生と、橋本環奈本人もSNSで認めるほどの「怒涛の展開」。東北・気仙沼に向かった“カスミン”こと佳純(平祐奈)が現地の状況とお礼を結に伝えにくるシーンは、神戸出身であり、宮城県女川町を舞台にしたドラマ『女川 いのちの坂道』(NHK総合)で主演を演じた平祐奈が務める意味のある場面だったように思う。

 そんな放送日時と伝える人の役割を重視してきた『おむすび』。映し出されるのは、今から13年前の実際の映像。宮城県・石巻では5時46分に黙祷が捧げられ、東日本大震災が発生した14時46分には神戸から東北へ黙祷が捧げられた。冬の寒さ、音、におい。「ヘアサロンヨネダ」に集まった結たちは当時の記憶を呼び起こす。印象的なのは、聖人(北村有起哉)の言葉。「徐々に忘れられていくんかな、あの日のこと。20年後、30年後でも覚えてくれとう人おるんかな?」と不安に思う聖人に、菜摘(田畑志真)が「おるに決まっとうやないですか。しっかり、うちらの世代が伝えていきます」と頼もしく答え、結と目配せをする。結も震災後に生まれた花に、あの日のことを伝え聞かせていくことを誓った。言わずもがな、13年後の我々視聴者に向けられたメッセージでもあり、2024年に起きた能登半島地震にも思いを馳せた。

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