映画『はたらく細胞』は武内英樹監督の集大成に 後半のシリアス展開が光る物語構成

武内英樹はコメディのイメージが強いが、『今夜、ロマンス劇場で』という、涙腺のヤバいことこの上なしな作品も撮っている。こちらは、映画監督志望の若者・牧野健司(坂口健太郎)と、モノクロ映画から飛び出したお姫様・美雪(綾瀬はるか)の、悲恋を描いたファンタジックな作品だ。筆者はボロ泣きした。本来の武内監督は、大笑いさせるも大泣きさせるも、自由自在である。
大病の原因役を演じるのは、Fukase(SEKAI NO OWARI)だ。公式の役柄が「????」となっているため、詳細には触れない。ラスボス的な役回りだが、彼の、意に反して悪にならざるを得なかった運命が、とても悲しい。白血球との関係性も、涙を誘う。

自らの体内で、佐藤健(白血球)が、永野芽郁(赤血球)が、山本耕史(キラーT細胞)が、仲里依紗(NK細胞)が、日々戦ってくれている。そんなことを想像すると、健康に気を使わざるを得ない。酒を減らそう。タバコを減らそう。油ものを控えよう。間食をやめよう。早寝早起きを心がけよう。週に2回は運動をしよう……。今作を観た人間の9割は、このように健康志向になるはずだ。自らの不摂生のせいで、彼ら彼女ら「はたらく細胞」を、無駄死にさせるわけにはいかない。
■公開情報
『はたらく細胞』
全国公開中
出演:永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎、マイカピュ、深田恭子、片岡愛之助、新納慎也、小沢真珠、Fukase(SEKAI NO OWARI)、阿部サダヲ
原作:清水茜『はたらく細胞』(講談社『月刊少年シリウス』所載)、原田重光・初嘉屋一生・清水茜『はたらく細胞BLACK』(講談社『モーニング』所載)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:Official髭男dism「50%」(IRORI Records/PONY CANYON Inc.)
配給:ワーナー・ブラザース映画
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