千葉翔也×鬼頭明里×小林千晃が語る『アオのハコ』の役作り “一歩踏み出した”過去の経験も

千葉翔也、鬼頭明里、小林千晃の現場以外での距離感

――原作者の三浦糀さんもオーディションときの皆さんの演技をXで絶賛されていました(※)。なにかやりとりはあったのでしょうか?
千葉:アフレコの前後でお声がけいただいたりして。最初に「千葉さんってそんなに明るい人ではないですよね?」って言われて。
鬼頭・小林:あははっ。
千葉:1話のときにそう言われて、化けの皮が剥がれるの早いなって(笑)。でも、そこがバレていても選んでくださるなら、すごくやりがいがあるし、信じていいんだなと思いました。この作品はモノローグも多いし、心情表現は繊細にやっていい。大喜の明るい部分だけで引っ張らなくていいって意味で言ってくださったんです。
小林:僕は逆かもしれない。匡は印象よりもいろいろな面があって、明るい部分も出していいって言っていただいて。確かに原作を読むと、匡もいろんな表情をするんですよね。体温は一定なんですけど、リアクションとか表情はコロコロ変わる子なので、小さく収めすぎずに、思いっきり突っ込んでもいいし、守りに入りすぎなくていいって。すごくありがたかったです。

鬼頭:私はジャンフェスステージの後に「鬼頭さんの雛の解像度がめちゃくちゃ高くて嬉しかったです」って言ってもらえて。自分の解釈が合ってたことに先生が温かい言葉をかけてくださって、すごく嬉しかったです。
――千葉さんと鬼頭さんはLAで行われた「Anime Expo 2024」の『アオのハコ』ステージにも行ってましたよね?
鬼頭:そうなんです。会場がめちゃくちゃ大きくて、ビックリしちゃいました。
千葉:ね! 海外だし、これから知ってもらうために登壇するんだと思って、こじんまりとしたところを想像していたんですけど。1000人、2000人単位の方が来てくださって。しかも「このキャラが好き!」っていう具体的なリアクションも伝わってくるような、もう愛に溢れた空間でしたね。
小林:「大喜」って(海外でも)そのまま「大喜」なの?
千葉:変わってないと思う。実は、お土産に海外版の漫画を頂いて。照らし合わせて読んでも面白いんですよ〜! 何気ない一言が意味を持つ作品だからこそ、それが英語になったときにまたダイレクトに気持ちが表現されているというか。
小林:向こうの高校生活にも、やっぱり日本と同じような青春のエモさがあるってことだね。
鬼頭:そこは世界共通なのかもしれないです。
千葉:あと千夏のミステリアスさがちゃんと伝わっているのもよかった。『アオのハコ』の良さって、青春の中に感じられる概念的なところだと思うんです。キャラとか、エピソードだけに魅力があるわけじゃない。そこも魅力としてちゃんと伝わっているんだってことが肌で感じられて、自信になりましたね。
――本作は大喜が恋愛やバドミントンに諦めずに挑戦を続けていくところが魅力です。最後に皆さんにとって、「この時、一歩踏み出してよかった」と思う経験を教えてください。
小林:僕は基本的に人とコミュニケーションを取る時に一歩踏み出したいなって思ってます。鬼頭さんもちばしょーもキャリア的には先輩なんですけど、年齢が近いからって僕から切り出して。でも結果的によかったと思ってます。
千葉:あれ、自覚あったわけね(笑)。
小林:はい(笑)。初めてお茶した時に、最初から「ちばしょーでいいよね」みたいな感じで。
鬼頭:あははっ。
小林:もちろん人は選ぶというか、距離感は考えてるんですけど。この声質だし、芝居の感じだし、共演も多くなるだろうなって。
千葉:確かに2、3作品目と重ねた上で「タメ口でいい?」とか少し堅苦しいよね。
小林:そうそう。でもそれは仲良くなりたいっていうのが大きいですね。

鬼頭:私、この仕事を目指すって決めた時、上京しなきゃいけなくて。それがだいぶ大きな一歩でした。地元も実家も大好きで、一人暮らしにも憧れがなくて。上京しないとなれないのかって思って諦めてた部分もあり、目指すぞって決めた時、一人暮らしするのは結構ハードルが高かったんです。
千葉:ホームシックとかになったの?
鬼頭:1年くらいはなっていました。東京に友達もいないし、ゼロからのスタートだったので。でも養成所に通い始めて、仕事も始めて、友達が増えて……。地元に帰省して、また東京に戻ってきたときに、友達が「おかえり」って言ってくれて「ここも私の居場所になったんだ」って思いました。
小林:いい話。
千葉:僕は大学時代の友達に「就活はしないけど、俺は声優をやるよ」って言ったときですね。親友には言っていたけど、部活やサークルの友達には明確に言ってなくて。みんなが就活している中で、一人だけ別の道を目指してて。自分はこの仕事でやっていくよって、一人ひとりには言っていたんですけど、全員の場で当たり前のように言うのは結構勇気がいりました。
――打ち明けたときの周りの方のリアクションは?
千葉:みんな総じて応援してくれて。わかる人は「声優って大変だよな、頑張れ」って言ってくれるし、アニメとかわからない人も「すごいな、頑張れ」って。そんなに縁がなかった友達とかも「お前のアニメ観たよ」って言ってくれる。「こんなにたくさんの味方がいたんだ」って、20歳を超えてから感じました。最初は恥ずかしくて、仕事の話とかできなかったんですけど、それ以降は「イベントでこんなことあったよ」とか、雑談できるようになって。一歩踏み出してみると、案外思わぬところで誰かが助けてくれたり、力をくれたりすることもあるかもしれません。
参考
https://www.oricon.co.jp/news/2307398/full/
■放送情報
TVアニメ『アオのハコ』
TBS系にて、毎週木曜23:56〜放送
Netflixにて先行配信
各配信サイトにてTV放送終了後に順次配信
キャスト:千葉翔也(猪股大喜役)、上田麗奈(鹿野千夏役)、鬼頭明里(蝶野雛役)、小林千晃(笠原匡役)、内田雄馬(針生健吾役)ほか
原作:三浦糀(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:矢野雄一郎
キャラクターデザイン・総作画監督:谷野美穂
シリーズ構成・脚本:柿原優子
色彩設計:今野成美
美術監督:藤井王之王
撮影監督:川下裕樹
編集:笠原義宏
音響監督:明田川仁
音楽:大間々昂
クリエイティブアドバイザー:モギ シンゴ
企画プロデュース:UNLIMITED PRODUCE by TMS
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
オープニングテーマ:Official髭男dism「Same Blue」(IRORI Records / PONY CANYON)
エンディングテーマ:Eve「ティーンエイジブルー」(TOY'S FACTORY)
©三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会
公式サイト:https://aonohako-anime.com/
公式X(旧Twitter):@aonohako_PR
アニメ公式TikTok :@aonohako_PR























