『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』猗窩座は“良い意味”で期待を裏切るか 注目したい2つの要素

『鬼滅の刃』無限城編、原作ファンの注目要素

 『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の2025年公開が決定し、新たなティザービジュアルと特報映像が解禁された。

 本作は、鬼殺隊最強の戦士である「柱」たちが一堂に会する、かつてない規模の決戦を描く劇場版三部作。これまでベールに包まれていたキャラクターたちの過去が、壮絶な戦いの中で遂に明かされることとなる。対する鬼の側も、「遊郭編」で姿を現した妖艶な上弦の弐・童磨、「無限列車編」で炭治郎と因縁を結んだ上弦の参・猗窩座をはじめ、強大な力を持つ上弦の鬼たちが結集。直前のアニメ「柱稽古編」が原作第16巻139話「落ちる」までを描いたことから、本編は第140話「決戦の火蓋を切る」から物語が始まる見通しだ。

 さらに本作では炭治郎の家族の物語に加え、これまで断片的に描かれてきた登場人物たちの「家族」にまつわる伏線の回収も見どころの一つ。伊之助の記憶に刻まれた、走馬灯の中で「ごめんね」と涙する謎の女性の正体や、善逸を侮蔑し、師範に対しても不遜な態度を取り続けた兄弟子の存在など、まだ回収されていない伏線の着地にも注目が集まっている。

 とはいえ、物語の展開はすでに原作で心に刻まれているファンも多いだろう。だからこそ本作では、劇場ならではの圧倒的な映像美はもとより、アニメーションだからこそ実現できる2つの要素に、より一層の期待が高まる。

 そのひとつがアニメ版オリジナルシーンの充実だ。先の「柱稽古編」では、鬼の潜伏する城へと侵入した蛇柱・伊黒小芭内と風柱・不死川実弥の共闘シーン、隊士たちの何気ない愚痴さえも聞き逃さない宇髄天元の描写など、細かなアニオリ演出で高い評価を得た。「無限城編」は緊迫したシリアスな展開が続くからこそ、おまけページの「設定こぼれ話」など息抜きとなる小ネタの映像化にも期待が寄せられている。

 2つ目は、キャストの演技への期待だ。無限城編では炭治郎一行の前に次々と強大な鬼が立ちはだかるが、中でも特に注目を集めているのが、猗窩座と童磨の2人の上弦の鬼の存在だ。

 猗窩座は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』でも、炎柱・煉獄杏寿郎との激闘シーンが大きな話題を呼んだ。強者との闘争を渇望する武闘派であり、強き者は鬼となって至高の領域を目指すべきだと信じる彼は、その勧誘を拒まれると相手の死すら望む極端な性格の持ち主。

 「お前も鬼にならないか?」という台詞は、まさに彼の代名詞と言えよう。演じるのは石田彰だ。声優ファンの間では「石田彰が演じるキャラクターは“裏切る”」という定説があるが、猗窩座もまた、劇場版では良い意味で期待を裏切ってくれるかもしれない。

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