水樹奈々はエンタメの第一線を走り続ける 『ダンダダン』星子を成立させた“確かな実力”

水樹奈々はエンタメの第一線を走り続ける

 TVアニメ『ダンダダン』がかなり面白い。10月より放送されると、早くも今期のアニメシーン、いや2024年のアニメシーンを席巻している。本作では個性豊かなキャラクターによる軽妙なやり取りが展開されているが、とにかく声優陣の演技が素晴らしいのだ。本作においてモモの祖母・星子をドラスティックに演じているのが水樹奈々である。

 『ダンダダン』は、霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモこと綾瀬桃と、同級生でオカルトマニアのオカルンこと高倉健が、理解を超越した怪奇と出会い、それぞれが能力に目覚めていく、オカルティックバトル。地上波での反響はもちろんすごいのだが、特に注目すべきは何週にもわたってNetflixの日本トップ10で1位にランクインしている点だ。週間グローバルトップ10にもランク入りしており、その反響は国内のみならず、世界にまで広がっていることがわかる。

 魅力はとにかく多岐にわたっているが、かつてないほど斬新な怪異たちのデザインと、オカルンたちと怪異による疾走感のある戦闘アニメーション、さらには劇伴を手がける牛尾憲輔によるアニメーションを引き立てる壮大な音楽にある。ただ何と無しに観ているだけでも、その魅力に気づくはずだ。そして忘れてはならないのは、尖りに尖った登場人物たちを演じている声優陣の演技である。これがあるからこそ、『ダンダダン』のアニメが成り立っていると言っても過言ではない。

 そんな本作において、絶妙なアクセントを加えているのが、水樹が演じている星子。ドドリア三太という名前でエセ霊媒師としても活動しているが、実際は自宅に結界を張ったり、ターボババアと互角に渡り合うことができたりと、かなりの実力者。オカルンとモモの行動を影から支えている心優しい一面もある、憎めないキャラクターだ。

 水樹の代表作といえば、『NARUTO -ナルト-』の日向ヒナタ役や『魔法少女リリカルなのは』のフェイト・テスタロッサ役、『ハートキャッチプリキュア!』の花咲つぼみ/キュアブロッサム役などが挙げられるが、これらのラインナップを見ると、おとなしくてクールな女性から活発でお転婆な女の子まで様々な声色を使い分けて演じていることがわかる。共通点としては芯の強いキャラクターが多いということだろうか。『戦姫絶唱シンフォギア』などでは歌手としても参加しているように、ソロアーティストとしても活躍しており、2009年7月には声優初のドームコンサートとなる西武ドーム(現ベルーナドーム)で単独公演を開催、2011年には声優としては史上初となる東京ドームでの単独ライブも実現させるなど、豊富なキャリアで声優アーティストの第一線を走っている。

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