『マダム・ウェブ』には旬の女優が勢揃い! アラサー世代に刺さる00年代リスペクトの作風
「旬の女優図鑑」と言っても過言ではないキャスト陣の豪華さ
何より、本作はキャスティングがめちゃくちゃ良い! 主人公を演じるダコタ・ジョンソンは『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015年)で大ブレイクしたことで知られているが、あれからほぼ10年近くの時が経った。純粋無垢で幼げな雰囲気の中に感じる色香が印象的だった俳優だが、本作では家族と希薄な関係性を持つ少女たちの母親代わりになるからこそ、ますます大人の女性の魅力が爆発している。
そして、ジュリア役のシドニー・スウィーニー! 近年は海外ドラマ『ユーフォリア』(2019年〜 )や『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート』(2021年〜)で一気に注目を浴び、2024年の公開映画『恋するプリテンダー』に出演したことからも大ブレイク中の俳優である。これまでは胸元が開いた衣装や挑発的な役柄が多かったが、本作では一瞬誰かわからないほどプレッピーな佇まいが印象的。誰よりも控えめでお淑やかであり、誰よりも優しくて寝るときはクマのぬいぐるみも一緒という愛くるしいキャラクターを演じている。自身と重ねても共感できる役柄だったと映像特典内でスウィーニーが語っているが、確かに普段演じることの多いメロウな役とは裏腹に本人は友達も多く明るい性格。そんな彼女だからこそ意外に思えてハマり役のジュリアがとにかく愛くるしいのだ。
マティ役のセレステ・オコナーも『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(2024年)など話題作への出演が続くアップカミング俳優であり、イザベル・メルセドは10歳の頃にブロードウェイデビュー、2013年からスクリーンデビューを果たした俳優兼歌手。自分をはっきりと持っていて、誰からも指図を受けないマインドのマティはカッコよくて、オコナーもスケーターガールのルックが似合っている。最初はわがままな印象が強い彼女がクライマックスでキャシーがピンチに陥ったとき、誰よりも勇ましく敵と戦おうとする姿が良い。
メルセド演じるアーニャはチームに1人はいるような天才だが、そういうキャラをあえてギークガールとして描かず、おしゃれで綺麗な女の子として描いている点に好感が持てる。誰よりも冷静で聡明だが、父と離れ離れになって単身ニューヨークに住んでいるのにその悲壮感を漂わせない強さが魅力的なキャラクターだ。彼女は『エイリアン:ロムルス』にも出演し、今後公開される『スーパーマン』にてホークガール役を演じるのだから、これからも人気が出てきそう。
キャシーの友人メアリー・パーカーを演じたエマ・ロバーツは言わずもがな、『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズで人気を博しさまざまな作品に出演してきた人気俳優だ。他のキャストと比べてアクションには参加していないが、あのピーター(と思われる男の子)のお母さんとして全体を通して存在感を発揮している。
キャスト&製作陣が明かす裏話にも注目
さらに、4K UHD+ブルーレイ、ブルーレイ+DVDで必見なのが、本作のメインキャストや製作陣が裏側を語る映像特典だ。SSUの『スパイダーマン』シリーズがずっと好きだったと語るジョンソン。マティ役のオコナーが「Z世代として自分と同じような見た目の若い女の子がヒーローとして登場することに安心した」と言っていたように、本作はこれまでの『スパイダーマン』作品で唯一等身大の女性たちがメインで活躍する作品だ。
そんな本作を完成まで導いたのが、S・J・クラークソン。これまでにテレビシリーズで多くの作品を監督してきたが、実は映画監督としては本作がデビュー作。にもかかわらず、メイキング映像を通して感じられたのが、キャスト陣から彼女に向けられる強い信頼だった。誰よりも映画『マダム・ウェブ』の世界観を理解する立場として、彼女は本作を心理的なスリラーとして作ろうと考えていた。そして『サスペリア』でのジョンソンの演技に惹かれ、彼女を主演に起用したと語っている。また、スウィーニーとは彼女の初期の監督作『HEROES』で一緒に仕事をしたこともあって、ジュリア役に即決したそう。そんな決断力もある彼女は現場で常に的確な指示を出していたと、キャスト陣が絶賛。原作コミックに忠実な映画を作ろうとしつつ、空想的な要素が加えられている点が本作の魅力だが、それを作る現場の空気感が良かったことがメイキングから伺えるのも作品のファンとしては嬉しいところ。キャストの意見に耳を傾け、アイデアを受け入れる柔軟さを持ちながらキャラクターを愛している。そんなクラークソンが手がけた作品だからこそ、登場人物たちのシスターフッドやケミストリーがリアルに感じられるのだろう。
そして何より、メインキャストのほとんどがアクション未経験だったことも興味深い。特に主演のジョンソンにとっては初の試みで、人命救助などで日頃から重いものを持つことが当たり前の救急救命士を演じる上で撮影前に筋肉をつけ、トレーニングをしてスタミナをつけたと話す。共演したアダム・スコットや、製作陣が明かすジョンソンのアクションシーンの裏話にも注目だ。
掘れば掘るほど見どころ溢れる『マダム・ウェブ』。“ヒーロー映画の評価軸”のような誰かが作り上げたような物差しは置いた状態で、思い思いに自分の感じる本作の魅力を堪能してほしい。
■リリース情報
『マダム・ウェブ』
4K UHD+ブルーレイ/ブルーレイ+DVDセット発売中
4KUHD+ブルーレイセット(2枚組):7,590円(税込)
ブルーレイ+DVDセット(2枚組):5,390円(税込)
<映像特典>
【Blu-ray映像特典】
・キャスティングについて
・マダム・ウェブとスパイダーウーマンたち
・NGシーン
・スタントはクモの動き
・イースター・エッグ紹介
出演:ダコタ・ジョンソン(大島優子)、シドニー・スウィーニー(潘めぐみ)、イザベラ・メルセド(ファイルーズあい)、セレステ・オコナー(伊瀬茉莉也)、タハール・ラヒム(子安武人)、エマ・ロバーツ(坂本真綾)、アダム・スコット(萩原聖人)
監督:S・J・クラークソン
製作:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ
権利元:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
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