『全領域異常解決室』伏線が張り巡らされた黒岩勉の脚本力 広瀬アリスの“きつねダンス”も
藤原竜也が淡々とした演技で事件を解決へと導く『全領域異常解決室』(フジテレビ系)。第1話ではヒルコやシャドーマンなどのワードが登場し、オカルト好きの心をくすぐる展開となったが、さすが黒岩勉と言ったところでサスペンスらしいどんでん返しが待ち受けていた。第2話ではキツネツキという迷信が引き起こした事件の解決に挑んだ。
名門進学校として知られる葛乃葉女子高等学校では集団失神が相次いでいた。前回の失踪事件同様に、今回も謎の神「ヒルコ」を名乗る人物から犯行声明が出されたことで、「全領域異常解決室」、通称「全決」は捜査をすることに。全決の本部を訪れた警視庁捜査一課の荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)と二宮のの子(成海璃子)は学校への聞き取り調査から、1カ月ほど前から生徒の授業中の居眠りが急激に増え、今や教師も含め7割もの人間が失神を経験していることが明らかになった。さらに体調不良に見舞われても、学校を離れると意識は回復するということから、学校に何かしらの原因があることは明確だ。
事件の詳細を知るため学校を訪れた雨野小夢(広瀬アリス)と興玉雅(藤原竜也)は、校長から生徒会長をしている3年生の剣持日向(清乃あさ姫)を紹介される。校長いわく、自立と自尊心を持ったどこに行っても恥ずかしくない生徒だという。その様子を扉の外から見ていたのが生物教師・山杉幹夫(林泰文)。雅が山杉の存在に気づくと、足早にその場を後にし、向かった先は生物室。空気穴のようなものが空いた木箱に餌のようなものを与えながらブツブツと何かをつぶやいていた。
生徒たちとダンスで打ち解けて、聞き込みでは分からない本音を聞き出すという名目で小夢は生徒たちと「きつねダンス」を踊るという微笑ましい場面も。裏話ではあるが、広瀬はダンスが苦手にもかかわらず、今回の撮影のために挑戦したという。
剣持は2カ月前に当時の生徒会長・白石一香(井上音生)が飛び降り自殺をし、「イケメン先生」と呼ばれ生徒からも人気の歴史教師・池神春来(中尾暢樹)が失踪していたことを告げる。すると、興玉は学校の敷地に祠がなくなっていることに気づき、「これが祟りの正体です」とつぶやく。
後日、興玉は全校生徒を集め、事件の原因が「キツネツキ」だと明かす。「キツネツキ」とは、狐の霊に取り憑かれたと言われる人の精神の錯乱した状態で、精神病の一種だとされており、日本では古くから迷信としても信じられている。興玉の発言に動揺する生徒たちを前に、突然山杉が大声を出してその場に倒れてしまう。興玉はこれがキツネツキであると生徒たちに告げるが、興玉の発言に合わせたかのように倒れるのはあまりにもできすぎたシナリオだ。