リウ・シーシー×リウ・ユーニンが夢の共演! 『一念関山』が魅せる武侠ロマンスの真髄

『一念関山』が魅せる武侠ロマンスの“真髄”

エンタメ要素抜群のストーリーラインに注目

 『一念関山』がこれほどヒットした理由のひとつは、エンタメ感がバランスよくちりばめられた展開が視聴者を釘付けにしたからだ。例えばアクションだと、第8話が前半のハイライトと言える。周健将軍と天星峡で討ち合いとなるシーンだ。軍勢の数、将軍は1000人である一方で遠舟たちはたった60人。圧倒的に多勢に無勢な中、遠舟たちは巧みな戦術と舞い踊るような剣さばきで敵をなぎ倒してしまう。元々、こうした武侠アクションは中国ドラマの大得意。さらに本作は演出のリッチさを感じさせる編集の妙味や衣装の豪華さも手伝い、見ごたえ十分だ。

 また、遠舟の周りを固める精鋭たちも、腕が立つだけでなく個性豊か。女たらしだが時に芯をついた言葉を放つ于十三(ユー・シーサン/演:ファン・イールン)、遠舟を「兄貴」と慕うかわいい弟キャラ元禄(ユエン・ルー/演:チェン・ヨウウェイ)、感情を表に出さず淡々としつつ熱いものを秘めた銭昭(チエン・ジャオ/演:ワン・イージョー)、目立たないながらギロチンのような武器を容易く扱う孫朗(スン・ラン/演:リー・ホワン)など、それぞれ違う光るポイントがある。彼らが遠舟を慕い、また同志として友情を育んでいくチームプレイが素晴らしい。その一方で、王宮は常に欲望と裏切りという黒い感情が満ちている。梧国で皇帝の代理を務める丹陽王(たんよう(ヤン・シンジエン)/演:ツォン・コーラン)は策略家で、安国へ向かった楊盈に対し敵の襲撃に見せかけ暗殺を企てる。安帝の妻・初貴妃(チューきひ/演:チェン・シャオユン)には、夫以外の想い人がいて……と、人間関係と感情が複雑に入り組んでいる。ストーリーが進むにつれて明るみになる各々の本心に、視聴者は毎回驚かされることになる。

対立と疑いから“かけがえのない存在”へ、不器用同士の恋の行方は?

 大切な人を殺され、復讐だけを胸に抱いてきた如意と、諜報機関のリーダーとして冷静なふるまいだけを見せてきた遠舟。そんな2人は出逢ってまもなく、如意からの「優秀なあなたの子供を産みたい」という大胆すぎるモーションで恋が始まるかに見える……が、それは恋愛感情ではなく、「お前は冷酷すぎるから子供を持ちなさい」と昭節皇后に助言されたからだった。こんな“非情”な理由を口にしていた如意だったが、楊盈を叱咤しながら見守り成長をうながすなど、次第に人間的な一面が隠しきれなくなる。本作を観ていると、非情な任務に人生を賭して本来の優しさにふたをして生きてきた2人の恋愛を応援する気持ちが芽生えてくる。

 楽しめる仕掛けが満載な『一念関山』。この秋はぜひ、本作を堪能してはいかがだろうか。

■放送・配信情報
『一念関山(いちねんかんざん) -Journey to Love-』(全40話)
WOWOWにて、10月31日(木)スタート 毎週木曜20:00~放送・配信(2話ずつ放送)
WOWOWオンデマンドにてアーカイブ配信あり
配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/program/200070
監督:ジョウ・ジンタオ、ゾウ・シー
脚本:チャン・ウェイ
出演:リウ・シーシー(レン・ルーイー/レン・シン役)、リウ・ユーニン(ニン・ユエンジョウ役)、ハー・ランドウ(ヤン・イン役)、チャン・ホワセン(リー・トングアン役)、ファン・イールン(ユー・シーサン役)
©Shanghai Linmon Pictures Co., Ltd., Chin

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