ヒロシが語る、趣味が仕事に変わる経験 『ヒロシの心霊キャンプ』では“いつもと違う姿”も

ヒロシが語る、趣味が仕事に変わる経験

 「空前のキャンプブーム」と謳われるようになって、早くも5年近く経った。コロナ禍で加速したブームは、落ち着きを見せながらも、未だに熱を保っている。10月10日22時よりBS日テレで毎週2話ずつ放送されるドラマ『ヒロシの心霊キャンプ』は、そんなキャンプの新たな楽しみ方を教えてくれるかもしれない。

 本作の主人公は、キャンプが好きな「ヒロシ」と呼ばれる男。彼の周りには、山の中で奇妙な恐怖体験をした人々が集まってくる。ひとけのない山奥で、この世のものとは思えないものと出会ってしまった人たちの物語を聞くのは、状況も相まって一層恐ろしい。

 だが、そんな雰囲気を中和させてくれるのが、ヒロシからのお礼として最後にふるまわれるキャンプ飯だ。野外料理研究家のベアーズ島田キャンプが手がけるご飯は、どれもおいしそうで、見ているだけで一気にお腹が減ってくる。

 キャンプ×料理×ホラーという新感覚の組み合わせが楽しめる本作で、主演を務めるヒロシに、撮影現場で感じたことやキャンプへのこだわりを聞いた。(編集部)

「“稲垣吾郎さん役”ということで引き受けました」

――オファーを受けた際のお気持ちは?

ヒロシ:僕は『ほんとにあった怖い話』(フジテレビ系)が好きで、話を聞いたときには稲垣吾郎さんの役だと思ったので「やった!」って。キャンプって、ちょっと幽霊とか出そうじゃないですか。だから面白いなと思いましたし、ホラーも好きだから新しいなと。僕は怪談ドラマの部分には出ていないけど、どうなっているのか楽しみですね。

――ふだんからお仕事の選び方は、やはり“面白そう”という観点で?

ヒロシ:そうですね。“面白そう”ということと、ギャラがいいものを選びます。でも、今回は“稲垣吾郎さん役”ということで引き受けました。僕、本当に好きなんですよ。

――たしかに、稲垣吾郎さんになれる機会は滅多にないですもんね。今回はそんな心霊に加えて、“料理ドラマ”でもあるそうで。

ヒロシ:もう、よくわからないですよね。制作サイドの考えがあるんだろうから観るのが楽しみですけど、今は下火になってるとはいえ人気がある「キャンプ」と「料理」と「ホラー」という3つのコンテンツが融合するので、どうなるんだろうなって。

――(笑)。「キャンプも下火」とのことですが、やはりコロナ禍が一番盛り上がっていた?

ヒロシ:体感、そんな感じがしますね。でも僕は流行る前からやっているので、別に下火になってくれて構わないです。僕は避けていましたけど、一時期キャンプ場の駐車場に行列ができていて、テントを張ってもすぐ隣にテントがある、みたいな状況だったらしくて。それがなくなるのは、個人的には好都合です。

――このドラマを観て、キャンプに行くのが怖いなと思う方もいそうですね。

ヒロシ:そうしたら、また下火に拍車がかかっていいじゃないですか。

――ヒロシさんは怪談ドラマ以外のシーンに出演していますが、役作りはされているのでしょうか。

ヒロシ:いや、ほぼヒロシだと思います。僕が出ているシーンも含めてドラマだと聞いてはいるんですけど、あくまで僕は吾郎さんのつもりなので。ただ、怖い話をする人たちはちゃんと演じられているので、僕もちょっと引っ張られてる感はありました。基本は普通のヒロシのつもりでいたけど、なんかいつもと違うヒロシになってるかもしれない。流れだけ決まっていて、僕はほぼアドリブなのでフワフワした感じでした。

――ヒロシさんであって、ヒロシさんではないと。

ヒロシ:僕もよくわからないけど、たとえばテントやキャンプスタイル、着ている服も僕のものとは違うので、“いつものキャンプのヒロシ”とは違うんでしょうね。そもそも、知らない人が話しかけてきたら帰りますもんね。

――なるほど(笑)。今回の現場で、面白かったことはありますか?

ヒロシ:いろんな若い役者の人たちがいて、自分の若い頃を思い出させてもらったのが面白かったかな。一生懸命セリフを覚えている人がいたり、最後まで残って僕に挨拶をしてから帰っていく人がいたり、そういう若手の役者模様みたいなものを見られた気がしますね。今は大体決まった人としか仕事をしないので、知らない若い方たちを観察できるのが新鮮でした。

――ヒロシさんは、ふだんからホラー作品をご覧になるんですか?

ヒロシ:結構昔のやつですけど、『ほんとにあった怖い話』で本仮屋ユイカさんが出ている「訪問者」という作品が好きで、もう何回も観ました。おばあさんが訪ねてきて、何を聞いても「タズネテキマシタ」って答える。すごくシンプルなんだけど、それが好きです。小学校のときには『あなたの知らない世界』(日本テレビ系)が楽しみで、一人で観るのは怖いから友達と集まって観ていました。当時はすごく怖がりで、習字教室から自転車で帰るときに暗いのが怖いくらいだったんですけどね。

――今は怖いという感覚はなく、面白いものを観ているような?

ヒロシ:はい。52年も生きてきて、見たことがないので。

――幽霊を見たことがないんですか?

ヒロシ:芸人さんでも、怪談話をする人ってすごく怖いじゃないですか。でも僕が見たのは、不思議だけど人に話しても怖がられない話ばっかりだから。サパークラブのトイレから10人くらいの声が聞こえてきたり、お酒を飲む場所で白い人影と黒い人影が見えたり、っていうことはありますけど。どれも自分が経験したから怖かっただけで、人に話しても怖くないし、ドラマチックな起承転結みたいなこともないですね。

――キャンプ中に、ホラー作品を鑑賞することもありますか?

ヒロシ:ホラーではないけど、タブレットで『ウォーキング・デッド』を観るのにハマっていた時期がありました。テントを張っているところにゾンビが出たりするので、自分も山の中にテントを張って観ていると、たまらない臨場感があるんですよ。今、映画館で“プシュー”って風とかが出たりするやつ(4DX)があるじゃないですか。僕も1回行ったことがありますけど、それよりもキャンプ場で『ウォーキング・デッド』を観るのが一番リンクしてるんじゃないかなと。3D感があって。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる