『南くんが恋人!?』は多様な愛の形を映し出す “IF”の世界を突きつけられる切なさ
この第6話で描かれたのは、多様な愛の形だ。ちよみの親友である奈美(大和奈央)とその彼・翔太(石澤柊斗)のように普段はラブラブだけど、時には正面切って意見をぶつけ合う激しい愛もあれば、手芸部の溝口(今井柊斗)みたいに南くんが好きなちよみのことを丸ごと受け入れる深く愛もあり、形は一つじゃない。
そんな溝口がくれた手作りのTシャツに刺繍されていた文字が“HEAVEN CAN WAIT(天国は待ってくれる)”。まるで今の自分の状況に当てはまるような言葉に南くんは驚く。そして、冒頭で述べた場面へ。そこで描かれたように、本当なら何の障害もなくちよみと一生一緒にいられるはずだった。だが、それはただの妄想であり、現実はそうじゃない。
自分はもうすぐ消えるかもしれないのに、ちよみが自分ありきで将来を考えていることが苦しくなった南くんは「ちゃんと自分のこと考えて(大学も)選んだ方がいい」と告げる。ちよみは「なんでそんなこと言うの?」と涙目になるが、南くんはちよみを傷つけたいわけでも不安にさせたいわけでもなかった。
「家族ともちゃんとお別れができるから、病気で死ぬことがわかって幸せ」と笑顔で語っていた母・薫子(八木亜希子)のように、自分がいなくなった後もちよみに幸せでいてほしかったから。それも愛の一つの形だ。あたたかくて、切ない愛。だけど、今のちよみにとって南くんは世界の全てであり、南くんを失うなんて到底受け入れられないだろう。「俺はもう死んでるんだ」と衝撃の告白を受けたちよみの心が壊れてしまわないか心配だ。
■放送情報
『南くんが恋人!?』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00〜21:54放送
出演:飯沼愛、八木勇征(FANTASTICS)、武田真治、加賀まりこ、室井滋、光石研、沢村一樹、木村佳乃
原案:内田春菊『南くんの恋人』(青林工藝舎刊)、『南くんは恋人』(ぶんか社)
脚本:岡田惠和
監督:宝来忠昭(テレビ朝日)、小松隆志(テレビ朝日)ほか
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、布施等(MMJ)、村山太郎(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
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