阿部サダヲが語り尽くす『不適切にもほどがある!』 宮藤官九郎との関係性や撮影秘話も

阿部サダヲが『ふてほど』を語り尽くす

「主役だけど中心にいないのが面白かった」

ーー今回はドラマであると同時に『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)や『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)のような、良質なコントバラエティ番組を毎週観ているような楽しさもありました。

阿部:「早く寝ナイト♡チョメチョメしちゃうぞ」(以下、早チョメ)は、衣装やセットを見て懐かしいなぁと思いましたね。ズッキー(秋山竜次)みたいな人は当時いましたし、バックダンサーも昔のバラエティ番組に絶対いましたよね。子供と家で「ああいう時代だったの?」と一緒に話せたので、意外と家族で観やすいドラマだったのかなぁと思います。

ーーセットの作り込みも凄かったですね。

天宮沙恵子プロデューサー(以下、天宮):特に「早チョメ」はこだわりがすごくて。昔のカメラを引っ張り出してきて撮影したり、いろんなところから当時のものをかき集めてつくりました。

阿部:小川家に置いてある小さいかき氷器とかは美術さんが集めてきたのですが、今はメルカリとかが素晴らしいって言ってましたよ。

ーーテレビ業界の内幕を描いた作品でしたが、怒られたりはしなかったんですか?

天宮:それはやはり磯山プロデューサーと宮藤さんが描いてみたい作品として企画が立ち上がり、やりたいというチャレンジで臨んだ作品だったので、問題はなかったです。考査部などに何度も内容のチェックをお願いして作り上げましたが、いざ放送されるまでは大丈夫だろうか……という不安はありました。

阿部:放送前の取材でライターの方が「挑戦してますね」「大丈夫ですか?」と言うので、逆にこっちが不安になりましたよね(笑)。

ーー小川さんって『木更津キャッツアイ』の猫田と地続き感があると感じたのですが、阿部さんの中ではどんな気持ちでしたか?

阿部:どうなんでしょうね……。以前は主役の人の後ろでかき回してやろうみたいな感じでしたが、今は周りにかき回してほしいし、自分もかき回すし、みたいな感じです。今回はボケとツッコミ両方やる役だったから、新しい役を作れました。

ーー昔は阿部さんは脇で存在感を示すイメージが強かったですが、近年は主演作も増えています。脇で存在感を残すというのとは、また立場が違ってくると思います。

阿部:主役も脇役も面白いので切り替えたいとは思わないですけど、真ん中をやると関わる人数が圧倒的に違うので、大変だなぁと思います。今回は僕がずっと何かを解決するという感じではなかったので、役として大変ということはなかったんですよ。『古畑任三郎』(フジテレビ系)みたいな作品だったら、長い台詞を覚えないといけないので大変ですけど、主役だけど中心にいないのが面白かったです。

ーー主演を務めることのプレッシャーはありましたか?

阿部:いや、むしろ取材でプレッシャーをかけられましたよね。「問題作ですよ。これは」と言って(笑)。それで「そうか、ダメかもしれないな~」と思うことはありましたけど。

ーー先生役としてはどうでしたか?

阿部:生徒に教えるところが出てこないですからね。最後にちょっとだけ良いことを言いましたけど、あれ以外は教えていることがないですからね。

ーー楽しいドラマですが、ハラスメントやコンプライアンスといった現代の問題についても考えさせてくれるドラマだなと思いました。

阿部:超現代の話ですよね。テレビの裏側もわかるし。

ーーこんなにいろんなものが詰め込まれたドラマも珍しいですよね。現場の雰囲気はどうでしたか? 

阿部:順調だったんじゃないかな。揉め事もなかったし、怒鳴り声とかも聞こえてこなかったし。監督が5人というのも初めてでした。助監督もたくさんいて。遅番で遅れて出勤する人が結構いたりして「休みをたくさんいただいているな、この現場」という気はしました。

ーー最後に、今回のソフト化にあたり「ここを注目してほしい」という見どころがありましたら教えてください。

阿部:最終話のミュージカルシーンのメイキングや、カットされたシーンもあるのですが、細かいところでは「日焼け」ですね。エアブラシで一度真っ黒にして、メイクさんが腕時計の後とかを細かく作っているのですが、腕時計を外した後が残っている部分は見てほしいです。

ーー普通に観ていたら気づかないですね。

阿部:一度観ただけでは気づかないことをやっているので、探してほしいです。何箇所かあるので。

■リリース情報
『不適切にもほどがある!』
8月28日(水)Blu-ray&DVD-BOX発売

【Blu-ray BOX】
価格:29,645円(税込)
品番:TCBD-1579
仕様:2024年/日本/カラー/本編(474分)+特典映像(216分)/16:9 1080i High Definition/2層/音声:リニアPCM2chステレオ/バリアフリー日本語字幕(本編のみ)/全10話/4枚組(本編ディスク3枚+特典ディスク1枚)

【DVD-BOX】
価格:24,200円(税込)
品番:TCED-7441
仕様:2024年/日本/カラー/本編(474分)+特典映像(216分)/16:9LB/DISC1・5・6:片面2層 DISC2~4:片面1層/音声:ドルビーデジタル2.0chステレオ/バリアフリー日本語字幕(本編のみ)/全10話/6枚組(本編ディスク5枚+特典ディスク1枚)

<特典映像>
●尺の都合で泣く泣く落とした「未公開カット集!」
●第10話・ミュージカルメイキング!
●未公開シーン含むナビ番組
●メイキング
●スペシャル座談会
●スペシャル座談会「ウラ話を聞いちゃダメですか?」
●制作発表会見
●阿部サダヲ×仲里依紗×磯村勇斗×吉田羊 SPインタビュー
●河合優実×坂元愛登 SPインタビュー
●クランクアップ集
●PR集

<音声特典>
阿部サダヲ・磯村勇斗・三宅弘城によるオーディオコメンタリー(第10話)

<封入特典>
特製ブックレット(20P)磯山P&金子DのSP対談 ほか

出演:阿部サダヲ、仲里依紗、磯村勇斗、吉田羊、河合優実、坂元愛登、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、山本耕史、古田新太
脚本:宮藤官九郎
主題歌:Creepy Nuts「二度寝」(Sony Music Labels)
音楽:末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝
プロデュース:磯山晶、天宮沙恵子
演出:金子文紀、坂上卓哉、古林淳太郎、渡部篤史、井村太一
製作:TBSスパークル、TBS
発売元:TBS
発売協力:TBSグロウディア
販売元:TCエンタテインメント
©TBSスパークル/TBS

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