アニメ『龍族 -The Blazing Dawn-』の世界を揺るがす完成度 日本語吹替版も中国語版も必見
アニメ『龍族 -The Blazing Dawn-』Blu-ray&DVDシリーズが6月26日より発売された。全3巻に収められたシリーズは、スタイリッシュなキャラクターたちによる激しいバトルや緻密なストーリーがハイクオリティの映像によって紡がれる。観れば誰もがこれからのアニメーション界に起こる激動を予感するだろう。
累計発行部数3000万部超えの江南作のファンタジー小説『龍族』を原作に、中国随一の映像美を誇る新進気鋭のアニメーションスタジオ・HANABARA Animationによって映像化。2022年8月から配信が始まって、中国大手プラットフォームのひとつであるテンセントビデオで累計再生回数5.7億回という驚異的な数字を叩き出し、支持の大きさを世に示した。
そして、2024年4月から日本語吹替版として『龍族 -The Blazing Dawn-』が日本のTVや配信プラットフォームに登場した。観た人は高い完成度を持った映像やストーリーの面白さに引きつけられたことだろう。
ゲームが得意なほかは取り柄もない平凡な高校生で、親戚の家でやっかい者扱いをされていたルー・ミンフェイのところに、ある日、カッセル学院という学校から入学招待状が届いた。面接で意味不明なことを聞かれ、からかわれていると思い辞退を申し出たミンフェイ。しかしカッセル学院は本当に存在していて、ルー・ミンフェイのことも高く評価し、S級のVIP待遇で学院へ招き入れようとする。
不幸な身の上にあった少年になにか秘められた能力があって、そうした能力を持つ者たちを集めた学校に入って大活躍するストーリー。自分には他と違った何かがあって、それが運命を切り開くという展開は、将来に希望を持ちたい子供や若者の心を確実に捉える。その意味で、『龍族』が原作も含めて大人気になったのも当然だ。
カッセル学院に入ったミンフェイは、学生自治会の会長を務めるシーザー・ガットゥーゾと、学生組織の獅子心会を会長として率いるチュー・ズーハンの戦闘に巻き込まれる。銃弾が飛び交い剣戟が繰り広げられる学院内の光景に、ルー・ミンフェイならずとも何が起こっているのかと驚くだろう。学院最強の2人の激突に、新入生のルー・ミンフェイが割って入る隙などない。そう本人も思っていたはずなのに、目の前で起こっている陰惨な光景に頭を抱えたとき、謎の少年、ルー・ミンゼイが彼に力を与える。
それからルー・ミンフェイは、世界には人類の敵となる“龍”が潜んでいること、そしてカッセル学院には“龍”の血を宿した人間が集められ、“龍”を相手にした戦いが求められていることを知って、千年もの眠りについている龍王たちを討伐する戦いへと身を投じていく。その過程では、シーザー・ガットゥーゾやチュー・ズーハンからそれぞれの組織に引き入れようとする誘いがあり、ルー・ミンフェイをカッセル学院に勧誘した先輩・ノノとの交流もあったりと、学園アニメのような展開も楽しめる。
そうした展開が洗練されたキャラクター描画によって繰り広げられるため、アニメーション技術の高さが伺える。また、シーザー・ガットゥーゾやチュー・ズーハンといった男性キャラクター誰もが超イケメン。ノノや無口で考えが読めない女子生徒・リンといった女性キャラクターたちも、日本のアニメーションやイラストレーションに描かれているようなビジュアルを持っている。
アクションについても、常にハイクオリティの作画で学院での日々から“龍”を相手にしたバトルに至るまで、きっちりと描かれ目をそらさせない。日本で公開された中国作品『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』も日本のアニメーション『NARUTO -ナルト-』のようなアクションを見せてくれると話題になったが、『龍族 -The Blazing Dawn-』の場合はキャラクターのビジュアルも日本のアニメファンにとってなじみ深いデザインとなっている。