松村北斗の“父親”の佇まいの説得力 倉田瑛茉との“クランクアップロス”を勝手に心配

松村北斗の“父親”の佇まいの説得力

 アメリカ帰りの天才エンジニアで、ロジカルズバズバ男子として、パソコンを操りながらビジネス英語を話したり、初日の出勤早々に西園寺さんたちに挨拶代わりとして企画にダメ出しをしたり。カタカナの多い難解なセリフに、監督からは1.25倍速で話すようにディレクションが入っていたほど。ミステリアスでクールという第一印象は松村のパブリックイメージとも通ずる部分があるが、それは第1話の序盤のみで、第2話まででも様々な表情を見せてくれている。

 「変です、異常です、普通じゃありません」が口癖の楠見は、こうあるべきという父親像に縛られてもいる。それは西園寺さんからすれば自己犠牲とも捉えられ、実際に楠見は家事と育児に忙殺されていた。彼はルカを西園寺さんに預けた夜に「解放された」という思いが込み上げてきた。押し殺していた感情、ダメな父親(であっていい)としての姿を初回では印象付けていた。

 第2話では恩を受けてばかりの西園寺さんの部屋に「家事(火事)の恩返し」として現れる少々コミカルな姿。楠見は気づけば西園寺さんと一緒にいることで徐々に表情豊かに、柔らかくなってきており、洗濯機を開け中に入っていた西園寺さんの下着類に慌てる一幕もあった。偽家族として生活が始まることで、これから事件が起きることは必須。西園寺さんが最も踏み込まれたくない、シルバニアファミリーの部屋を楠見はどう受け止めるのか。そして、何やら西園寺さんと過去に何かがあったカズト横井(津田健次郎)の登場によって、さらなる楠見としての松村の芝居が引き出されていきそうだ。

■放送情報
火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:松本若菜、松村北斗(SixTONES)、倉田瑛茉、藤井隆、濱田マリ、横田真悠、水澤紳吾、うらじぬの、大朏岳優、塚本高史、野呂佳代、村川絵梨、浅野和之、松井愛莉
原作:ひうらさとる『西園寺さんは家事をしない』(講談社『BE・LOVE』連載)
脚本:宮本武史、山下すばる
主題歌:BUMP OF CHICKEN「strawberry」(TOY'S FACTORY)
演出:竹村謙太郎、井村太一、山本剛義、渡部篤史
プロデューサー:岩崎愛奈、丸山いづみ
編成:吉藤芽衣、平岡紗哉
製作:TBSスパークル
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/saionjisan_tbs/
公式X(旧Twitter):@saionjisan_tbs
公式Instagram:saionjisan_tbs
公式TikTok:@saionjisan_tbs

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