『ガルクラ』『響け!ユーフォニアム』花田十輝が無双 2024年春アニメ総括&夏アニメ展望

2024年春アニメ総括&夏アニメ展望

本編を面白くしてくれたX(旧Twitter)公式アカウント

 春アニメでもうひとつ印象的だったのが、「SNSの使い方が上手いな〜」と感じるアニメが多かったこと。まずは『夜のクラゲは泳げない』は第8話で主人公たちのユニット・JELEEのライブが行われるのに合わせてイラストを募集。そして第8話でJELEEがファンアートなどに囲まれたライブをすることで、視聴者がアニメ世界でのファンと同じように彼女たちを応援できたのです。また『ヨルクラ』に関してはスタッフによるスペースもものすごく充実していました。

 『Unnamed Memory』に関しては「ある魔女の日記」(@Project_UM_log)というアカウントでヒロインのティナーシャの心情が徒然に書かれていましたが、物語最終盤の衝撃展開を経て「おやすみなさい。」というポストだけ残して消滅してしまいました(アカウント自体は残っているのですが)。思い切りがいい。

 そういった仕掛けで一番よかったのが『リンカイ!』最終話に向けてのキャンペーン。主人公の泉ら若手が出場する「ルーキーファイナル」というレースの結果を3連単で予想するというものでX上では多くの人が参加していたのですが、このおかげでリアルタイム放送のレースシーンでは多くの人が自分が予想した選手を応援し白熱することに。つまり実際の競輪で車券を握りしめる観客を疑似体験できたのです。

 もちろんこうしたユニークな試みは過去にもありましたが、ここまで1クール内にいろんな作品で見られたのは結構珍しいのでは。あくまで盤外戦ではありますが、単に注目を浴びる以上にアニメをより美味しくするためのトッピングとして機能するようなものを今後も期待したいところです。

『【推しの子】』第2期の対抗馬は?

 さて、すでに夏アニメも多数始まっていますが、そのなかで一番の話題作が『【推しの子】』第2期であることに疑いの余地はないでしょう。ここ数年でも、いわゆる“覇権”候補が事前に1作に絞られているクールは珍しいです。

 ただ対抗馬としてはSNSの上手さで放送開始前後から話題を集める『しかのこのこのここしたんたん』や、映像美で魅せる『小市民シリーズ』などが浮かびますし、あとは今期やたらと多いラブコメからも何か傑作が生まれるかもしれません(個人的には異彩を放ち過ぎている『義妹生活』の今後が気になって仕方ない)。夏クールも、どんな面白いエピソードと出会えるか楽しみにしながら見続けましょう。春クールより本数が全然少なくてラクだし!

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる