『虎に翼』滝藤賢一のクセ強演技が光る 花岡を侮辱された寅子の“イライラ”が爆発
多岐川を演じる滝藤賢一は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』やNHK大河ドラマ『麒麟がくる』といった作品に出演。『半分、青い。』では、ヒロインである楡野鈴愛(永野芽郁)の父親を演じており、爽やかな父親像をお茶の間に届けてきた。それにしても、多岐川のキャラクターは強烈だ。第52話の前半では滝に打たれる姿が映し出されていたり、挨拶をする寅子に対し「湿っぽい話も挫折話もつまらん!」と一蹴し酒を取り出したりと、一体どんなキャラクターなのか全く読めない。ちょび髭すらも何やら怪しく思えている。
寅子が小橋と稲垣とともに先立った花岡(岩田剛典)の話をしていると、多岐川は「バカタレ判事の同期なのか。法律を守って餓死だなんてそんなくだらん死に方があるか。大バカタレ野郎だね」とその死を侮辱する。これには寅子は猛反発。しかし、一触即発といったところで、多岐川が「この議論は平行線だ。君も正しい、俺も正しい」と早々に会話を終わらせてしまう。もちろん、多岐川の言い分も理解できなくはない。しかし、意図してか、意図せずしてかはわからないが、友人を失った寅子たちの前で軽率な発言をするあたり、不躾な人間であることは間違いない。
さて、肝心の家庭裁判所設立に向けた会議は難航していた。少年裁判所と家事裁判所はお互いの主張を譲らず、手を取り合おうとはしない。
たびたびインサートされるマッチ箱にイライラする寅子のシーンが、両者の軋轢を表現していたのがお見事だった。肝心な多岐川はというと、会議中にもかかわらず、いびきをかいて寝ている始末。果たして、どうなることやら。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK