『ミス・ターゲット』すみれ、宗春、萌の思いが交錯 複雑に絡み合うそれぞれの糸

『ミス・ターゲット』すみれたちの思いが交錯

 しかし、“おあいこ”にできなかった轟の部下・茶野(後藤剛範)が、「お前さえいなければ、兄貴(=轟)は元に戻るはずだから」とすみれを殺しにかかり、助けに駆けつけた宗春が重傷を負ってしまう事態に。手術をして一命を取り留めることができたのでホッとしたが、萌(鈴木愛理)の立場になって考えると、やっぱり苦しい。

 すみれが刑務所に入っていた3年間、どん底まで落ちた宗春を支えてきたのは萌だった。「和菓子を作れないのなら、美味しい和菓子を食べるところから始めてみませんか?」「1歩ずつ。いや、0.1歩ずつ? 前に進んだらいいと思うんです」。そんなふうに、ゆっくりゆっくり。宗春と歩幅を合わせながら歩いてきて、「和月堂」はやっと大きなチャンスを掴むことができた。それなのに、宗春は大事な仕事よりもすみれを優先させて、目を覚ましたときも、真っ先に「すみれさん?」とつぶやいたのだ。

「気づいたら、好きになってて。大好きな人の大好きな人なのに。好きになっちゃいけない人なのに……」

 この世界に、好きになっちゃいけない人はいないけれど、好きになってしまったら苦しくなってしまう人はいる。すみれのことが大好きで、すみれの魅力をたくさん知っている萌は、きっと心のどこかで“この人には敵わない”と思っているのだろう。だから、宗春のことを好きになりたくなかったし、出所したすみれとも正々堂々と戦う勇気がなかった。

 生粋のワルは出てこない。みんながみんな、心の底から愛している人がいて、その人のために……と強く思っているからこそ、それぞれの糸が複雑に絡み合ってしまっている。いよいよ、最終回を迎える『ミス・ターゲット』。糸をバッサリ切るのではなく、ゆっくりゆっくり解き、それぞれが自分に合う道を見つけてほしい。

■放送情報
『ミス・ターゲット』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
出演:松本まりか、上杉柊平、鈴木愛理、川西賢志郎、小槙まこ、田中真琴、八嶋智人、筒井真理子、沢村一樹
脚本:政池洋佑
演出:植田尚、日暮謙、近藤幸子
プロデューサー:山崎宏太、南雄大(ABCテレビ)、山本喜彦、神通勉、小路美智子(MMJ)
主題歌:家入レオ「ワルツ」(ビクターエンタテインメント)
音楽:富貴晴美
制作協力:MMJ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/misstarget/
公式X(旧Twitter):@misstarget_abc
公式Instagram:@misstarget_abc
公式LINEアカウント:@abc_drama

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる