『虎に翼』“拾われた男”仲野太賀が夫に立候補 寅子への思いが本物だからこそ去った花岡

『虎に翼』仲野太賀が夫に立候補

「まったく男ってやつはどいつもこいつも」(はる)
「男でひとくくりにしないでおくれよ」(直言)

 きざでいけすかない若い男性に、やや態度が厳しいはるだが、若干の誤解を置いても、気持ちはわからないでもない。婚期を逃して行き遅れる心配が現実になったからだ。寅子は、結婚できれば誰でもいいとでも言うように、見境なく、勤務先、親類、近所のつながりを駆使して、見合い相手を探す。こういう場合、往々にして“はずれ”をつかまされるもので、相手からも「弁護士をするご婦人はなんだか怖そう」と敬遠されてしまった。

 相変わらず弁護の依頼はない。ナレーションで「じわじわと真綿で首を絞められ」、「自尊心を削られていく」と形容される寅子は、ギブアップ寸前で、表情もいつになく苦しい。そこに救世主が現れた。

 スーツ姿の優三(仲野太賀)は、書生部屋の入口で寅子を迎えた。再会を喜ぶ寅子が、階段の定位置に落ち着くと思いがあふれ出た。優三の本気度は、腹下しの頻度で推し量ることができる。寅子の夫に立候補した優三は、一世一代の決意だったのだろう。寅子の口ぶりからすると優三は眼中になかった様子だが、互いを理解する二人は最高の相手に見えた。『拾われた男』(NHK・ディズニープラス)以来の夫婦役で、伊藤沙莉と仲野太賀がどんな芝居を見せてくれるか、本作の楽しみがまた一つ増えた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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