ピアニスト、アイスホッケー選手、土木設計家 木村拓哉が演じる“職業”はなぜカッコいい?

木村拓哉が演じる“職業”はなぜカッコいい?

 4月25日にスタートした『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)第1話は、木村拓哉が演じる狩山陸が拘置所にいる姿と働く姿が交互に描かれるという、まるで天と地を行き来するような構成でクラクラした。その中でも土木設計家として、そして大手ゼネコン「帝和建設」の土木設計部部長として第一線で働く狩山は、自らの仕事に誇りと愛があり、イキイキとしていた。「カッコいい」のはもちろんなのだが、大人として「格好いい」のだ。

 そもそも木村と職業ドラマの組み合わせは最高だ。たとえば木村がピアニストになることを夢見ている青年・瀬名を演じた『ロングバケーション』(1996年/フジテレビ系)、実業団のアイスホッケーチームで活躍するハルを演じた『プライド』(2004年/フジテレビ系)、風変わりな検事・久利生を演じた『HERO』シリーズ(フジテレビ系)、そして型破りな料理人・尾花を演じ、2024年冬にはスペシャルドラマの放送も決定している『グランメゾン東京』(2019年/TBS系)などなど、数え上げるとキリがないほど、木村はたくさんの職業を演じている。

 どんな職業でもキリリとした顔つきで、真剣な眼差しを見せる木村はなにをやっても様になるうえ、演じているキャラクターたちがみな、才能がありながらそれにつけあがることなく、他人に何を言われようとも、自分の目指す高みに向かって努力している姿が素敵だ。

 だからといって完全無欠かというとそうではないのが興味深いところである。『プライド』のハルは、ホッケーを最優先に考え、恋愛をゲームのように楽しんでいるおかげで人を真剣に愛すことができなかった。それを変えてくれたのが亜樹(竹内結子)との出会いだったのだが、今度は、誰よりも亜樹を真剣に愛しすぎてしまい、亜樹が帰国を待っていた交際相手の夏川(谷原章介)が戻ってくると、彼女の幸せを願って別れてしまう。さらに、のちに夏川が亜樹へ暴力を振るっていると知ったハルは自分を抑えきれず、夏川を殴って逮捕されるのである。ハルの愛が重い上に真っ直ぐすぎるが故の行動である。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる