『虎に翼』シソンヌはなぜコンビで起用されるのか? 俳優として役に与える“色気”

『虎に翼』シソンヌが役に与える“色気”

 今回の『虎に翼』にもふたりで出演中だ。それぞれキャラクターの濃い弁護士を熱演し、舌戦を繰り広げた。妻・峰子(安川まり)側の弁護士(じろう)が感情を込めて声を荒げれば、夫・甚太(遠藤雄弥)側の弁護士(長谷川)はロボットのように冷たく言葉を放つ。ふたりのコントラストが非常に面白く、満足感あるやりとりを見せてくれた。

 「コント師としても俳優としても“その他大勢”にならないパワー」「どのポジションに置いても、自らの仕事をきっちりとこなすユーティリティプレイヤー」……彼らの魅力を挙げればキリがないが「役に“色気”を与える」点は唯一無二ではないだろうか。

『虎に翼』第10話

 コントでも、映画・ドラマでも、シソンヌは演じる役に色気を与えるように思う。じろうや長谷川が演技をすることで、役の魅力が増幅する。ただ、命を吹き込むだけではない。観ている側が、彼らが演じる人間を好きになってしまうのだ。これは、コント師としても、俳優としてもシソンヌならではの能力だと思う。

 この色気は、同じ作品にふたりがいると尚更感じるものである。朝ドラで“それ”を実感した人もいたのではないだろうか。『虎に翼』では、ふたりの法廷での掛け合いがどんな帰結を迎えるのか。楽しみでならない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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