『涙の女王』に“ヴィンチェンツォ”登場!? ソン・ジュンギ&キム・ジウォンが嬉しい再共演

『涙の女王』に“ヴィンチェンツォ”登場!?

 ヴィンチェンツォの姿を見たヤンギの解説が面白い。「彼は恐ろしい」「彼の正体には諸説ある」と言い、「財閥家の末息子だとか、元海外派兵だとか、宇宙船で飛来したとか……」とソン・ジュンギの過去の出演作での役柄を上げて、ヴィンチェンツォを知らないヒョヌに解説するのだ。制作陣の極上の遊び心が存分に発揮されている。

 韓国ドラマでは、監督や脚本家、俳優陣の縁から、様々な作品で特別出演があり、視聴者にとっては、お気に入りのキャラクターが違う作品で出てきてくれると、作品が終わっていても、違う時間軸で生きてくれているのかと嬉しくてたまらなくなる。視聴者を喜ばせることにおいて、韓国ドラマ界は妥協しないのだ。

 ヴィンチェンツォの決め台詞である「悪は悪として処断を下す」という言葉も聞けて大満足の視聴者も多いだろう(Netflixの字幕では「毒を持って毒を制す」)。物語の折り返し地点に登場し、場を一気にソン・ジュンギの世界へと華麗に引き込んだ見事なヴィンチェンツォに感謝したい。

 物語は、ヒョヌとヘインが離婚をしても互いに愛し合う姿を描いていく。一方で、クイーンズグループの乗っ取りが成功し、創業者一族がクイーンズから追い出されてしまうという事態に。モ・スリが会長ホン・マンデ(キム・ガプス)を意のままに操り、息子ユンソンと共に、クイーンズを手中に収めてしまったのだ。行き場を失くしたヘイン一家は、龍頭里村のヒョヌの実家に身を寄せることにする。ここからヒョヌとヘイン一家がヒョヌの家族とともに反撃に転じていくターンになりそうだ。

 本作は、現在のふたりの様子とともに、結婚前のふたりを交互に見せながら進んでいく。ふたりが愛を育んでいくそのプロセスは、恋に落ちたカップルが、互いへの想いを募らせていくよくある恋愛だ。ときめきと初々しさを放つヒョヌとヘイン。そんな恋人同士がやがて結婚し、家族へと変化していく。その中で、幾多の試練が訪れ、互いに手を取り合って困難を乗り越えて愛を深めていくのか、手を離してしまうのか、それぞれの数だけの選択があるだろう。

 私たちはヒョヌとヘインという一組の愛の形を見守りながら、共に涙し、共感し、学び、祈っている。ヒョヌとヘインの物語は、ハッピーエンドの美しいお伽話として終わるのか、それとも私たちが見たことのない世界へと連れて行ってくれるのだろうか。

■配信情報
『涙の女王』
Netflixにて配信中
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン、パク・ソンフン
原作・制作:パク・ジウン、チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン
(写真はtvN公式サイトより)

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