『Eye Love You』切なさが加速 “テオ”チェ・ジョンヒョプד花岡”中川大志の軌跡を振り返る

切なさ加速する『Eye Love You』

 テオ(チェ・ジョンヒョプ)は侑里(二階堂ふみ)が思った通りの人だった。いや、それ以上だった。

 フードデリバリーのバイト先で「能天気」だと言われたというテオにその意味を聞かれ、侑里は「前向き」だと言い換えた。「能天気」は通常「何も考えていない」という意味で使うことがほとんどだと知ったテオは、彼女のことを“やっぱり素敵な人だ”と思い返す。

 テオは何も考えていないわけでも、若さゆえの無敵感で向こう見ずに侑里のことをただただ好きだと言っているだけでもなかった。全てわかっていたのだ。女性投資家のミン・ハナ(玄理)が描いた『心が聞こえる少女』という絵本の主人公と同じ力を侑里が持っていることも。その主人公の愛する人に悲劇が訪れ、帰らぬ人になってしまう結末も。

 最終話を目前に控え、『Eye Love You』(TBS系)は衝撃の事実が明かされ幾重にも切なさを帯び始める。

 自分だけが悩んでいるかに思えたことを、実は相手はすでに知っていた。自分は相手の心が読めると思っていたが実際は何もわかってはいなかった……と侑里が愕然とする姿には既視感がある。そう、専務の花岡(中川大志)の自身への恋心に気づいた瞬間とよく似ているのだ。

 
 人に興味がなさそうで、一定の距離感を保ってくれそうだからこそ一緒にキャンパスライフを過ごすのも、ビジネスを創業するのにも、自身の“テレパス”の能力を意識することなくいられた花岡。侑里は花岡に“必要以上には踏み込んでこない”安心感を抱いていたのかもしれない。もちろん最初はそんなクールで我関せずなスタイルの花岡が一緒にいるには気を使わずストレスフリーだったのだろうが、その中にある花岡の優しさや誠実さにどんどん侑里も心を許していったのだろう。だからこそ彼女らしいビジネスが展開できていたのだろうし、そんな侑里の世界をそっと見守りサポートしてくれていたのが花岡だった。

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