『ブギウギ』笠置シヅ子に憧れたのちの大スター美空ひばり 共通するステージへの強い執念

 ひばりはシヅ子と同じように結婚を機に仕事をセーブしようとした時期もあるようだが、精力的にステージに立ち続け、病気で体調が悪い中でも公演を行うことがあった。その中のひとつが東京ドームで行われたコンサート『不死鳥 / 美空ひばり in TOKYO DOME 翔ぶ!! 新しき空に向かって』である。この頃、ひばりは肝臓を悪くしており、開演直前まで点滴を受けていたほどだった。だが、観客には元気な姿を見せたかったのだろうか、本番ではまさに不死鳥と呼ぶべき輝きを見せ、できたばかりの東京ドームを沸かせたのだった。ひばりが生涯でレコーディングした曲数は通算1500曲、オリジナル楽曲は517曲と言われており、昭和から平成にかけての歌謡界に大きな影響を残した。

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 ひばりが人気を博してきた頃、シヅ子は女優活動へ専念した。シヅ子は歌うことをやめてしまったが、ひばりのステージへの執念ともいえる強い思いは、どんなことがあっても自分にできるエンターテインメントを届けたいと奮闘したシヅ子にも感じられるものだ。シヅ子に憧れていたひばりは、エンターテインメントに対する熱い気持ちも自然とシヅ子から受け継いだのかもしれない。

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 『ブギウギ』では、驚くべきことにスズ子が大阪時代に所属していた梅丸少女歌劇団(USK)のピアニスト・股野(森永悠希)が再登場。水城は、その股野を「お父さん」と呼んだ。なんと水城はスズ子の憧れであった礼子(蒼井優)と股野との間に生まれた子だったのだ。USK時代、礼子のようになりたいと思っていたスズ子が、羽鳥に出会い、礼子超えろと言われて、戸惑っていたことが思い出される。スズ子の運命は巡り巡って、形を変え、また礼子と交差したのだ。何とも不思議な縁である。憧れている人をどこかで追い越さなければ、時代に必要とされるスターになることはできない。これからのスズ子と水城、2人の関係性に注目だ。

参考
※『ブギの女王・笠置シヅ子-心ズキズキワクワクああしんど-』砂古口早苗(現代書館/2010年)。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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