太田将熙、30歳の節目に振り返るデビューから10年の歩み 「自分が思う“本物の役者”に」

太田将熙が振り返るデビューから10年の歩み

“其のまま”な姿を写した10周年のアニバーサリーブック

――映像のお仕事も増えていって、これからさらに躍進していく30代になると思います。今後どんな役者になりたいですか?

太田:ざっくりいうと、自分が思う“本物の役者”になりたいです。もちろんパーソナルの部分でファンになってくださることもすごく嬉しいですし、大切だけど、一番は、「太田将熙の芝居が見たい」「この人の表現が見たい」というお客さんが来てくれるような存在になりたいです。やはりビジュアルも大事で、年老いてから味を増していくこともあるけれど、「あの若い頃が好きだった」という人ももちろんいるわけで。その中で廃れないのって、スキルだと思うんです。スキルはずっと磨き続ければ向上していくものだし、その唯一残っていくスキルをちゃんと磨いて、「この人、ちゃんとした俳優だよね」と言われるようになりたい。今はまだ事務所という看板でファンになってくださったり知ってくださったりする方もいてすごく嬉しいんですけど、逆に「この人、アミューズだったんだ!」と思われる役者になりたいと思っています。

――ちなみに、コロナ禍でたくさんの映画をご覧になったとのことですが、30歳を迎えるにあたって、これからの自分に必要そうな振り返りたい作品はありますか?

太田:真利子哲也監督の『宮本から君へ』ですかね。池松壮亮さん演じる宮本のがむしゃら感が好きで。自分が今よりもっといろんな作品に出ても、あの感覚でやっていきたいなと思います。

――現在、アクションの勉強もされているとのことですが、今後どんな作品に挑戦したいですか?

太田:アクションは確かに活かせたらいいなとすごく思います。どんな作品に出演するか分からないけど、アクション映画じゃなくても、例えば殴るシーンとかちょっとしたヤンキー役をやる上でも、アクションを勉強しているだけで説得力がだいぶ変わってくるじゃないですか。そういう画面に映る細かいところでも出せればなっていう思いで始めたので、もちろん挑戦できる機会があったらアクション映画もやりたいですけど、それだけじゃなくてどんな些細なシーンでも説得力が増せたらなと思います。

――体を動かすことといえば、最近山にも登っているとか?

太田:そうですね。プライベートを濃くしたいっていうのが2023年の割と大きな目標だったので、いろんなことにチャレンジしてみようと山登りを始めました。回数としては全然多くはないんですけど、言葉にしていたものをちゃんと実現できたので、そういう意味では結構大きいかなって。最近、キャンプとかアウトドアにすごく興味があって。去年テントサウナをやったんですよ。東京でテントを借りて、山梨の川が流れているところに行って、設営して、自然の川を水風呂にして……。地元の友達3人で行ったんですけど、全部自分たちで作って、ステーキを焼いたりコーンを入れたり、食事もめちゃくちゃ美味しかったんです。ああいう経験ってやはりお金じゃ買えないので、そういうところも含めてアウトドア系のことにはすごく興味があります。

――10周年のアニバーサリーブックについてもお話しを伺えればと思います。まず、タイトルになっている「其のまま」について教えてください。

太田:本当にタイトル通り、“其のまま”な自分を写しています。そのままの自分をさらけ出しています、みたいな意味合いでつけたんですけど、僕自身が普段表で活動している時と仕事じゃないプライベートの時の差があまりないというか。「表だからこうしよう」みたいな感じにあまりなれないし、したくない。その差異を生みたくなくて、普段からそこは結構意識しているのですが、このアニバーサリーブックではそれが映し出されていますね。

――印象に残っている撮影や思い出深いエピソードはありますか?

太田:いっぱいあるし、もちろん全部なんですけど、結構電車に乗っている写真があって。ネットで写真を見た時からこの電車に乗りたいとずっと言っていたんですけど、見た目がかわいかったことも含め、電車に乗っているカットを撮りたかったんですよね。電車に乗っている時って、あまり繕わずにいられるじゃないですか。カメラマンさんと何も喋らず、ぼーっとしているところを撮ってもらったりして、まさしく“其のまま”な姿が映し出されています。そういうのがいいんじゃないかなって。

――生まれ育った千葉で撮ったからこそ、子供の頃の記憶に立ち返ることもあったかと思います。幼少期に強く覚えていることはありますか?

太田:ドッジボールですかね。ドッジボールを超本気でやっていました。小学校低学年の時に地元の公民館の大会で、僕自身は何もできないのに決勝まで残って、最後に当てられて負けたんですよ。その時大泣きして、母親に「あんた何もしてないくせに泣くな。だったら強くなってから泣きなさい」って言われて。そこから気合が入って、毎日ドッジボールの練習を始めたんです。そしたらマンションの仲間たちが集まってきて、みんなでドッジボールを始めるようになって。夜、ボールが真っ暗で見えなくなるまでずっと続けて、それを繰り返していたら本当にドッチボールが強くなって、大会でも優勝しました。そういう経験があったので、ドッジボールは僕の今のメンタリティと似ているかもしれないです。やはり何事も継続してやると叶うんだなと。そういうことは今でも自然と刷り込まれている気がします。

――多分野で活躍されるからこそ、さまざまな方面のファンが応援してくださると思うのですが、今回のアニバーサリーブックはファンに向けてどのような内容になっていますか?

太田:全方面のファンの方に向けた作品になっていると思います。それこそ海外の方とか、アニメ文化を通して『ドリフェス!』で声優を務めた自分を好きになってくれた方もいるのですが、写真って言語は関係ないじゃないですか。だからいろんな方、今まで1回でも僕を知ってくれた方や、今はファンじゃないけど過去に応援してくれた方(笑)、今もちろん応援してくれている方、最近知ってくれた方……全員に触れてほしい一冊になったと思います。

――インスタライブやスペースなどの場でファンの方と積極的に交流をしている印象があるのですが、ファンとの交流はご自身にとってどのような意味を持ちますか?

太田:ラジオを 2年半くらいやっていたんですけど、そのラジオが去年終わってしまって、寂しいという声が結構多かったんですよ。その中で、何か交流できないかなっていうのがありました。インスタライブとかスペースは、この間初めてやりましたが、楽しかったですね。こういう交流で少しでも喜んでもらえればいいなと思います。映像って、撮っていてもすぐには情報を出せないし、ファンの方も「今何をやっているんだろう」みたいなことが絶対あると思うので、そういう意味ではたまにこうやってコミュニケーションを取れたらいいですね。

――今回の記念グッズも、特にアクリルスタンドなどデザインがかわいいものがたくさんありますね。そのこだわりも聞かせてください。

太田: アクリルスタンドは、過去にも出したことがあるんですけど、僕個人として出すのはこれが初めてなんです。それこそ「29歳でアクリルスタンドってどうしようかな……」と思っていたんですけど、やはり10周年だし、今回はとにかく感謝の一冊として僕は出したいと思ったので、とにかくファンの皆さんに喜んでもらえるものを作りたいという気持ちがありました。そこでグッズチームの方と話して、「アクリルスタンド、絶対嬉しいです」「私がファンだったら嬉しいです」みたいな声も聞いたので、「じゃあやりましょう!」ということで作りました。あといつもカレンダーを出しているんですけど、今回そのカレンダーを出さずにアニバーサリーブックに集中したので、毎年カレンダーを買ってくださっている方が寂しくないように、等身大ポスターの裏側がカレンダーになっていて……。

――すごいですね!

太田:見たことないですよね。本当にグッズチームの方のアイデアがすごいなと思って。多分誰もやってないし、等身大写真の裏には、僕の地元の友達やプライベートの友達が写真を撮ってくれたものが集結されているんです。

――貴重なお写真がいっぱいですね。缶バッチもランダムで集めたくなる。

太田:缶バッジも結構こだわらせてもらいました。赤の英字で「そのままのあなたでいいよ」みたいな意味合いの言葉を選んでいて。僕がデザインを描いてみて、知り合いでデザインをやっている友達がいるので、その友達に電話をかけて作ってもらったりして。

――では、ご自身でデザインされたものを本当にお友達と作ったみたいなことなんですね。

太田:そうです。結構そういう要素が多いですね。最近はいろんなクリエイターの仲間と面白いことができたらな、みたいなことをすごく思っています。

――フォトブックを手にする方に対しても「そのままでいいんだよ」というメッセージがあっていいですね。

太田:確かにそうですね。時には無理することも必要だけど、なるべく“其のまま”の人間が一番魅力的だなって、この10年いろいろ経験して思いました。

――最後に、改めてこの本を手に取るファンの方に向けてメッセージをお願いします。

太田:本当に10周年をこうして迎えられたのは個人事じゃなくて、家族や親戚、もちろんいつも一緒にサポートしてくださる事務所の方たちもそうですが、やはりファンの方あってのことだと思いますし、ファンの方ありきで存在していると思うので、そのことは絶対に忘れずにいたいです。ファンの方に新しい世界をいろいろ見せていけるように、面白い作品や良い作品を届けていけたらなと思っているので、これからも是非ついて来てもらえたら嬉しいなと思っています。

太田将熙 10TH ANNIVERSARY BOOK 『其のまま。』

■書籍情報
太田将熙 10TH ANNIVERSARY BOOK 『其のまま。』
3月25日(月)発売
撮影:川島小鳥
価格:3,500円(税込)
仕様:AB判(257×210)、無線綴じ、帯
発行元:株式会社アミューズ
販売URL:https://www.asmart.jp/masaki_ota

▼太田将熙 チェキプレゼント▼

太田将熙のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

<X(旧Twitter)からの応募>

リアルサウンド映画部公式Xをフォロー、本記事の投稿、または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。

リアルサウンド映画部公式X

<Instagramからの応募>

リアルサウンド公式映画部Instagramをフォロー、本記事の投稿にいいね&コメントしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
当選者の方には、リアルサウンドXアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

リアルサウンド映画部公式Instagram

※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

<応募締切>
3月15日(金)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる