『君が心をくれたから』“奇跡”の正体を知った太陽の嘆き 雨が返した温もりのある言葉

『君が心をくれたから』“奇跡”の正体

 雨(永野芽郁)が触覚を失うまで、残り34時間。触覚を失ったら、温もりや痛みを感じられなくなるだけではなく、歩くことさえままならなくなってしまうかもしれない。太陽(山田裕貴)の家に招かれた雨は、そこへ向かう途中に立ち寄った店で、ふと目に入った杖を手に取る。2月19日に放送された『君が心をくれたから』(フジテレビ系)は第7話。今回で雨は、五感のうちの三つを失うこととなる。

 司(白洲迅)が医師の友人から聞いた、「五感を失う病気は存在しない」という事実。司は雨がそう思い込んでいるだけだとして、改めて雨に花火を見せてあげてほしいと太陽に伝えるのだ。ちょうど太陽は、3月24日に行われる桜まつりに向けて花火づくりに挑戦していたのだがうまくいかない。それを知った雨は、太陽にチャンスをあげてほしいと陽平(遠藤憲一)に頼むのだが、太陽自身が今のままでは無理だと諦めてしまう。「次の春には」という太陽の言葉に、雨の表情はこわばるのである。

 序盤のシーンこそ司や春陽(出口夏希)らの登場はあるものの、今回のエピソードはひたすら雨と太陽の2人の物語を描き続ける。太陽に抱きしめられながら、そしてその温もりを感じながら触覚を失っていく雨。朝になってみると、案の定うまく歩くことができずに階段から転落。検査のために入院する雨は、そこでようやく太陽に“奇跡”のことを話すのだが、彼はにわかには信じられない“奇跡”の詳細に取り乱す。前々から太陽に話すことを拒み、きっと彼は自分を責めてしまうだろうと危惧していた雨の予想通りの反応をみせるのだ。

 「自分には救う価値がない」と話す太陽に、後ろから抱きついた雨は――すでに彼女には太陽に触れているという感覚すらないわけだが――かつて高校時代に太陽からもらった、「君には誰にも負けない素敵な価値がある」という言葉を返す。自分の名前を愛せずにふさぎ込んでいたときに、太陽から「雨はこの世界に必要」と言われた雨が、今度は「太陽はこの世界に必要」という言葉を伝える。

 “奇跡”を受け入れてから雨がひとりですべて背負い続けてきた苦しみは、太陽に共有されたとて50:50になんてなりはしない。五感というあるべきものを失っていく雨と、その事実を知り、しかもその原因が自分にあることを知った状態で無力さを味わうほかない太陽。苦しみの種類は違えども、互いに100の苦しみを抱え、それでも一緒にいるということで決して0にはならない幸せという感覚で補っていくことしかできない。だからこそ、その“幸せ”を実感する、確かめることができる触覚は他のどの感覚よりも必要不可欠だったのかもしれない。

■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimikoko/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kimikoko_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/kimikoko_fujitv

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