『コブラ』のコラ画像を彷彿? 『バッドランド・ハンターズ』はマ・ドンソクのコラ映画だ

新ジャンル映画『バッドランド・ハンターズ』

バッドランド・ハンターズ

 さらにマ・ドンソク映画になったことで、マンションを支配する悪の大ボスも変わった。『コンクリート・ユートピア』では「家」にまつわる悲しき過去と、カリスマ性と狂気を抱えたイ・ビョンホンだった。しかし『バッドランド・ハンターズ』ではトカゲ人間を作っている科学者に代わっている(令和ロマンのくるまにそっくり)。もう作品全体の偏差値も急降下だが、期待通りマ・ドンソクはトカゲ人間すら「気持ち悪い顔しやがって」とブレない上から目線で鉄拳制裁! さらに洗脳状態に陥っている連中や、おかしくなっている連中も、マ・ドンソクが一喝したら正気を取り戻す。「『コンクリート・ユートピア』で描かれた苦労は何だったんだよ」と思いつつ、「でもマ・ドンソクが来たら全て解決するかもなぁ」と笑うしかない。ちなみにCGや美術関係の安さ、あまりにも軽快かつ牧歌的すぎるトーンが、いい意味での雑コラ感のアップに手を貸している。

バッドランド・ハンターズ

 私は、シリアスで陰鬱な映画を観ながら、「ここに〇〇(任意のアクションスター)がいて、拳で解決してくれたら……!」と思ったことが何回もある。それが遂に公式に実現してしまった。『バッドランド・ハンターズ』は、そういう稀有な作品である。今ここに、新しいジャンルの映画が誕生した。これぞまさしく、マ・ドンソクのコラ映画である。

■配信情報
『バッドランド・ハンターズ』
Netflixにて配信中
Cha Min-jung/Netflix © 2024

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