パク・ソジュン、マ・ドンソク、イ・ビョンホンら、ハリウッドでも活躍する韓国人俳優たち

ハリウッドでも活躍する韓国人俳優たち

 映画界の中心ともいえるハリウッドには世界中の名俳優が集う。日本でいえば真田広之や浅野忠信、菊地凛子などが代表的だろうか。本稿では、本国だけでなくハリウッドにも進出した韓国人俳優をピックアップする。

マ・ドンソク

マ・ドンソク(写真:Mydaily/アフロ)

 マ・ドンソクは、コワモテマッチョな風貌に常人離れした怪力を持つ強い男だ。しかし笑顔は愛くるしく、人柄もお茶目。マ・ドンソク+ラブリー=マブリーと呼ばれ、国民に愛される俳優である。

 彼は韓国人だが、アメリカ国籍を持っている。韓国で生まれ18歳までを韓国で過ごしたマ・ドンソクだが、叔父の事業がうまくいかず、18歳で家族と共にアメリカへ移住。その際にアメリカ国籍を取得し、コロンバス州立大学でスポーツ&フィットネスマネジメント(体育学)を専攻。その後ボディビルダーやフィットネストレーナー、パーソナルトレーナーとして活動していた。総合格闘家のケビン・ランデルマンやマーク・コールマンといった格闘技選手のパーソナルトレーナーも務めていたほどだ。この時の経験が、彼の強さの基盤となっているといえる。

 そんな彼のエネルギッシュな魅力がマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に認められた。第26作目『エターナルズ』の主要キャラクターのうちの一人であるギルガメッシュ役が、彼のハリウッドデビュー作となった。作中の組織であるエターナルズ随一の怪力を持つヒーローで、エネルギーをまとった拳で戦う。圧倒的な強さを持ちながらもとても心優しい人物であるギルガメッシュは、まさにマ・ドンソクにぴったりの役柄だったといえよう。

 その後も、ハリウッドでの活躍が決まっている。アメリカでブームを巻き起こしたSF小説の実写映画『Hell Divers(原題)』では主演、制作として参加する。また、韓国の大ヒットシリーズといえる『悪人伝』がハリウッドでリメイクされることが決定している。マ・ドンソクは韓国版の主人公役を務めており、ハリウッドリメイク版にも出演するようだ。

パク・ソジュン

パク・ソジュン(写真:アフロ)

 日本でもリメイクされた『梨泰院クラス』や『ミッドナイト・ランナー』をはじめ、『キム秘書はいったい、なぜ?』『彼女はキレイだった』といった作品に出演し、国内外で高い人気を誇るパク・ソジュン。出演する作品が立て続けにヒットしたことから「メガヒット保証俳優」とも呼ばれる彼は、映画やドラマだけでなく、チャミスルやbibigoのイメージキャラクターを務めるなど親しみやすさがあり、「国民の男友達」の愛称を持つ。

 そんなパク・ソジュンもMCU作品でハリウッドデビュー。第33作目に当たる2023年の新作『マーベルズ』では、愛らしくカリスマ性のあるヤン王子様を演じている。チャーミングなヤン王子は、国民の男友達パク・ソジュンの持ち味を生かした役柄だ。

 ヤン王子は歌と踊りで会話する惑星アラドナの王子である。主人公であるキャプテン・マーベルの過去を知る重要な人物であると同時に、作中では自身の歌声とダンスを披露し観客を魅了した。

イ・ジュンギ

イ・ジュンギ(写真:Mydaily/アフロ)

 ドラマ『悪の花』での名演が記憶に新しいイ・ジュンギ。日本のことを気にかけてくれることも多く、特に東日本大震災発生の際には兵役中にも関わらず日本に向けて心のこもった直筆メッセージをくれた。心優しく、視野の広い俳優だ。中性的な容姿もあって、女性のように美しく淑やかな印象もあるイ・ジュンギだが、実はアクションの達人であることをご存知だろうか?

 イ・ジュンギの特長は、 感情豊かできめ細やかな表現をする目、そして20代の頃からスタントにほとんど頼らずにこなしてきた見事なアクションである。合気道やテコンドーを特技としており、特に小学校3年生から始めたテコンドーの実力は相当のもの。市の代表に選ばれ全国大会に出場するほどで、3段を保持している。

 そんなイ・ジュンギのアクションに目をつけたのが『バイオハザード:ザ・ファイナル』の監督のポール・W・S・アンダーソンだ。イ・ジュンギのアクションに惚れ込んだ監督直々に、『バイオハザード:ザ・ファイナル』への出演をオファーしている。イ・ジュンギはスケジュールの都合上一度は断ったが、監督の熱い再オファーに心動かされ、最終的に出演を決定。これがハリウッドデビュー作となった。

 『バイオハザード:ザ・ファイナル』でのイ・ジュンギの役柄は、主人公たちと敵対する組織アンブレラ社の司令官、チュウ。格闘術の使い手で、圧倒的な腕っぷしで主人公たちを圧倒する。監督に見そめられたアクションは勿論、瞳一つで語る悪人らしい演技にも注目したい。

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