『君が心をくれたから』雨と太陽のつらさと歯痒さが伴う別れ 切なさが与える優しい空気感

『君が心をくれたから』雨と太陽の別れ

 それは雨と太陽が一緒に出かけた時に、何気なく太陽が発した「観覧車は恋人のもの。自分たちには関係ない」という言葉から掛け違いは始まっていたのかもしれない。10年経って、その掛け違いをやっと修正できる機会が訪れるハウステンボスでの夜。でももう他のすべてのボタンを掛け違えていたとなれば取り返しはつかない。マーガレットの花占いの定石が覆されるという運命のイタズラも、別れを切り出すための後押しになるだけである。

 観覧車のなかで、司と付き合うことになったと話す雨。太陽から「司さんのどこが好き?」と訊かれた雨は、自分が考える太陽の好きなところを、司のこととして太陽本人に聞かせる。そこに映されるハウステンボスの美しい夜景と、別々の道のりで市内へと帰る二人の姿。煌びやかなテーマパークと帰り道の夜の暗さの対比は、二人の悲恋をさらに助長させる。なぜだかそこに、このドラマが長崎を舞台にしたことの意味を見出せたような気がする。

■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimikoko/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kimikoko_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/kimikoko_fujitv

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