『ブギウギ』趣里と小雪が体現する異なる愛の形 “家族”になれないスズ子が切ない

『ブギウギ』趣里と小雪、異なる愛の形

 第77話でトミは村山興業の社員や芸人のことを家族だと思っていると言った。そんなトミは、愛助や坂口、山下ら“家族”を厳しく叱る。スズ子は蚊帳の外だ。スズ子の存在をないもののように扱う立ち居振る舞いから、スズ子への不信感が強く感じられる。その場を立ち去る前、トミは「とにかく、連れて帰りますで」と凄みを利かせると、最後にスズ子を一瞥した。愛助を思うトミの気持ちを受け取ったスズ子は、自身のいたらなさを反省するかのように目を閉じた。

 

 愛助はトミの言葉で気落ちしたスズ子を心配し、おはぎが食べたいと言って空気を和ませた。スズ子も愛助を思い、わずかばかりの砂糖を手に入れておはぎを作る。スズ子と愛助がお互いを思いやる様は見ていて愛おしい。2人のやりとりはつつましくもあたたかい。母・トミが息子を心配する気持ちに負けず劣らず、スズ子と愛助のお互いへの愛は強いのだ。

 愛助は療養のため、大阪に戻ることになった。愛助の体調を気遣い、離れ離れになることを決断したスズ子だが、「今になって、愛助さんと離れるのが寂しなってきたわ」と愛助の方を向かずに話す姿が切ない。

 愛助の療養を前に、スズ子と愛助は旅行することになった。離れたくない悲しさと一緒にいられる嬉しさに涙を浮かべるスズ子を愛助は優しく抱きしめる。2人の幸せな日々がどうか続きますようにと願ってやまない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる