パク・ソジュンが時を超えて1人2役 『京城クリーチャー』謎を残したままシーズン2へ

『京城クリーチャー』謎を残したまま続編へ

 チェオクは、母ソンシムを怪物にしたオンソン病院の一路院長(ヒョン・ボンシク)を銃殺し、軍に捕まってしまう。テサンは、オンソン病院へチェオクの救出に向かい、ソンシムを助けにきていたチェオクの父ジュンウォン(チョ・ハンチョル)と鉢合わせる。ジュンウォンは、怪物にされてしまった妻であるソンシムを、自分の手で葬ろうとしていたのだった。ジュンウォンは、テサンに娘を託し、ソンシムの元へ向かってゆく。テサンがチェオクを見つけ出し、軍から逃亡する中で、ソンシムが襲い掛かって来る。ソンシムは、テサンが娘を攻撃していると思ったのだ。

 物語は、多くの謎を残し、舞台は78年後のソウルへとバトンが渡された。シーズン1では、大日本帝国の軍による残酷極まりない生体実験が、怪物と絡めてフィクションとして描かれた。本作を視聴したことで、満洲に実在した旧日本軍の731部隊について初めて知った視聴者も多く、筆者もその一人だ。目をそむけてしまいたくなる恐ろしく悲惨な戦争の歴史をフィクションを交えて描くことは、多くの人の感情を刺激することになる。観た人の数だけさまざまな思いがあるだろう。今の時代を生きる私たちは、平和な世界を作っていくことの大切さを強く実感するとともに、二度とあの愚かで恐ろしい時代を繰り返さないようにしなければと思わせられる。

 パート2では、テサンにそっくりなパク・ソジュン演じるホジェが、首の後ろに大きな傷跡を持って登場する。シーズン1は、続編に向けて複数の謎を残した。怪物化した明子から生まれた赤ん坊はどうなったのか、由紀子は差し出された怪物への道を選んだのか、チェオクとソンシム母娘はどうなったのか。これらが78年の時を経て、ホジェとどんなふうに絡むのだろうか。彼の大きな首の傷は、“ナニカ”を取り出した傷跡なのだろうか。テサンとそっくりな顔をしたホジェは、テサンの子孫なのだろうか。

 シーズン1では、パク・ソジュンとハン・ソヒの見事なアクションシーンが全編に渡り迫力をもって演じられた。シーズン2でも2人のアクションを観ることができるだろうか。そして、現代のソウルにもクリーチャーは現れるのか。パク・ソジュンとハン・ソヒの時を経た物語の終着点を見届けたい。

■配信情報
『京城クリーチャー』
Netflixにて独占配信中
出演:パク・ソジュン、ハン・ソヒ、キム・ヘスク、スヒョンほか
演出:チョン・ドンユン
脚本:カン・ウンギョン

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