北米映画市場が“復活”した2023年 映画『スーパーマリオ』のユニバーサルがディズニー超え
クリスマスから新年にかけては、北米の映画館が最も盛り上がる1週間といわれ、週末興収も前週から上昇する作品が少なくない。『ウォンカ』や、第3位のユニバーサル&イルミネーション最新作『FLY!/フライ!』もその例外ではないのだ。そんな中で『アクアマン/失われた王国』は数字が下がる結果となったが、公開2週目に大きく落ち込みがちなスーパーヒーロー映画としては、むしろホリデー効果で下落率が抑えられたといえる。通常の週末ならば、前週比-70%級の暴落もありえただろう。
しかもホリデー効果を受けて、『アクアマン/失われた王国』の11日間の北米興収は、2023年の『マーベルズ』や『シャザム!~神々の怒り~』、『ザ・フラッシュ』を上回っている。海外市場での健闘もあり、世界累計興収は2億5827万ドルだ。製作費は2億500万ドルなので黒字化への道のりは遠く、やはり苦戦には変わりないが、一概に「失敗」と断じるにはまだ早い。
ワーナー・ブラザースは12月25日にミュージカル映画『カラーパープル』も公開し、週末第4位にランクイン。3日間で1300万ドル、4日間で1770万ドルを記録する見込みであるほか、1週間で4530万ドルの好スタートとなった(ミュージカル映画としても善戦だ)。『FLY!/フライ!』が第3位なので、惜しくもワーナー作品のベスト3制覇は叶わなかったが、『ウォンカ』『アクアマン/失われた王国』とあわせた1週間の興行収入は映画館業界に十分な貢献を示している。
同じく12月25日には、1936年ベルリン五輪にボートのアメリカ代表として挑んだワシントン大学のチームを描いた、ジョージ・クルーニー監督最新作『The Boys in the Boat(原題)』と、マイケル・マン監督&アダム・ドライバー主演の実話映画『Ferrari(原題)』も公開され、それぞれ第6位・第8位での初登場となっている。
北米映画興行ランキング(12月29日〜12月31日)
1.『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(↑前週2位)
2395万ドル(+32.7%)/4115館(-98館)/累計1億3490万ドル/3週/ワーナー
2.『アクアマン/失われた王国』(↓前週1位)
1950万ドル(-29.6%)/3787館(+81館)/累計7784万ドル/2週/ワーナー
3.『FLY!/フライ!』(→前週3位)
1723万ドル(+38.4%)/3789館(+78館)/累計5432万ドル/2週/ユニバーサル
4.『カラーパープル』(初登場)
1300万ドル/3203館/累計4530万ドル/1週/ワーナー
5.『Anyone But You(原題)』(↓前週4位)
900万ドル(+50%)/3055館(変動なし)/累計2508万ドル/2週/ソニー
6.『The Boys in the Boat(原題)』(初登場)
831万ドル/2557館/累計2192万ドル/Amazon・MGM
7.『アイアンクロー』(↓前週6位)
504万ドル(+3.6%)/2794館(+20館)/累計1635万ドル/2週/A24
8.『Ferrari(原題)』(初登場)
406万ドル/2386館/累計1092万ドル/1週/Neon
9.『ハンガー・ゲーム0』(↓前週7位)
290万ドル(-4.8%)/1660館(-849館)/累計1億5986万ドル/7週/ライオンズゲート
10. 『君たちはどう生きるか』(↓前週8位)
250万ドル(-10.2%)/940館(-640館)/累計3596万ドル/4週/GKIDS
(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2024年1月1日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)
参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2023W52/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/barbenheimer-box-office-2023-revenue-bonanza-1235777081/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/wonka-box-office-aquaman-new-years-1235776921/
https://variety.com/2023/film/news/box-office-wonka-beats-aquaman-2-new-years-eve-1235858841/
https://deadline.com/2023/12/box-office-2023-marketshare-new-years-weekend-1235683633/
■公開情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
Prime Videoにて見放題配信中
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
日本語版吹替声優:宮野真守(マリオ)、志田有彩(ピーチ姫)、畠中祐(ルイージ)、三宅健太(クッパ)、関智一(キノピオ)
配給:東宝東和
©︎2023 Nintendo and Universal Studios