『呪術廻戦』脹相と偽夏油、虎杖の関係とは 渋谷事変の終幕で浮き彫りになる不気味な事実

『呪術廻戦』脹相と偽夏油、虎杖の関係とは

 もうすぐ日付が変わろうとしている。2018年10月31日の終わりとともに閉幕する「渋谷事変」。その最終決戦とも言える、偽夏油と高専側術師の総当たり戦が描かれた。その渦中で明かされた、新たな事実。それは脹相があのとき虎杖悠仁を殺さなかった理由……彼が“おにいちゃん”であること、そして偽夏油の正体と「極ノ番 うずまき」の真価、冥冥の逃亡などたくさんあるわけだが、それぞれ順を追ってその意味について考えていきたい。

 まず、冥冥と弟の憂憂が“総当たり戦”と同刻の11時36分時点でマレーシアはクアラルンプールのホテルにいたことを振り返ろう。マレーシアと日本には1時間の時差があるため、正確には彼女たちが戦線離脱をしたのは10時半頃。特定疾病呪霊の「疱瘡神」に打ち勝ち、偽夏油と対峙した少し後のことである。電話越しの相手に冥冥は「殺されそうになった」と言っており、それは偽夏油との戦いに負けそうになったことを暗に示す。それと同時に、憂憂の術式が「移動」にまつわることも推測できた。冥冥はもともと守銭奴であり、裏切ったというよりは自分と実の弟、憂憂の命を守るために逃れたに過ぎない。

 ちなみに、姉弟である彼らが裸で一緒のベッドにいるシーンについて、海外の視聴者からは「sick(病気)」という意見がほとんどだ。これまでの日本アニメにおいて時折こういった“おねショタ”描写があったことも珍しくないが、特にアメリカなどはペドフィリア(小児性愛)に対する眼差しが厳しく、問題視されるものである。どこの国でだって問題なことに変わりはないのだが、海外リアクターの反応を見ていくと、こういったフィクションにおける描写に対して肯定することはなく、「wrong(間違っている)」と意見を表明している姿が印象的だった。

 子供といえば、脹相と偽夏油の関係である。偽夏油の正体が今回、「加茂憲紀」であることが発覚した。加茂憲紀とは、同名の京都校2年生・加茂が次期当主を狙う御三家の一つ「加茂家」の“汚点”と呼ばれる、史上最悪の術師である。そして何を隠そう、脹相をはじめとする受胎九相図の産みの母親を弄び、呪霊の子を孕ませたうえにその間に血を混ぜた人物……つまり、脹相の親に近い存在なのだ。そして術式の影響で、血の繋がった弟の異変が感じ取れることから虎杖のことを「血の繋がった兄弟」と脹相が認識していたことは、暗に“虎杖も”偽夏油の“子”であることを示しているのだ。

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