朝ドラ『ブギウギ』小夜役・富田望生の出番はもう終わり? “孤独”なスズ子が切ない

『ブギウギ』“孤独”なスズ子が切ない

 『ブギウギ』(NHK総合)第43話では、スズ子(趣里)が小林小夜(富田望生)に梅吉(柳葉敏郎)の世話をするようお願いする。梅吉は、親に捨てられたと話す小夜を不憫に思う気持ちもあってか、小夜に自分を「父ちゃん」と呼ばせ、好意的に受け入れた。小夜もまた梅吉に朗らかな笑顔を向けると「父ちゃん」と慕う。梅吉と小夜が賑々しく時を過ごす姿は楽しげに映る。

 梅吉は小夜と2人で過ごしていた時、小夜に寄り添う素振りを見せた。小夜の境遇に「そら、つらかったなあ」と言葉をかけ、「ずっと、ここにおったらええわ」と伝える。けれど、これらの言葉はツヤ(水川あさみ)を亡くしたことから立ち直れずにいる自分自身に向けた言葉にも見える。ツヤに会いたいという願いが叶うことはない。それを受け入れられない梅吉は、自分の気持ちに寄り添ってくれる小夜を拠り所にしているのだ。

 だが、スズ子は、「約束も守られへん、言うてることもしょっちゅう変わるような子、信用でけへん」と小夜を追い出した。スズ子は梅吉がツヤの死から立ち直れずにいることを十分理解している。しかし楽団での心配事も重なり、スズ子は梅吉に対して思わず声を荒らげてしまう。寂しさのあまり、自身を心配するスズ子の胸中に気づけない梅吉は「冷たいのう。小夜ちゃんの方がよっぽど娘みたいやった」と言い、スズ子の心を深く傷つけた。スズ子を気遣うチズ(ふせえり)を前に、スズ子がこぼした言葉に胸を締め付けられる。

「お父ちゃんばっかり、ずるいわ。お母ちゃんに会いたいんは、ワテも一緒やのに」

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