『ONE DAY』天樹勇太の正体判明による人間関係の変化 ひとつに集約された3つの物語
「逃亡編」「地方テレビ局編」「レストラン編」と3つの物語が交錯するかたちで展開してきた『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)。11月27日放送の第8話では、それらがいつの間にかひとつの物語に集約されているではないか。蜜谷(江口洋介)とようやく合流した誠司(二宮和也)、2人が乗り込んだバスに偶然乗り合わせていた時生(大沢たかお)。そしてそのバスで起こるバスジャックの取材に向かった桔梗(中谷美紀)。今回は15時36分から16時43分まで、ほぼワンシチュエーションのなかで駆け抜けていく。
自分が何者かを知りたい誠司は、そのカギを握るであろう蜜谷と話をする機会を求め続けてきたが、アネモネの安斎(米本学仁)たちに追われ、それが叶えられずにいた。あえて人目の多いところに蜜谷を呼び寄せたものの、周辺にはやはり安斎の手下や警察の姿が。そこで2人はバスに乗り込むのだが、途中の停留所でアネモネの幹部の1人である神林(一條恭輔)が乗り込んでくる。隙を見て神林を制圧した誠司だったが、ミズキ(中川大志)がバイクで追いかけてきていることに気が付き、急遽バスジャックを仕立て上げることを選ぶのである。
前回のエピソードで、時生のレストラン“葵亭”で働く梅雨美(桜井ユキ)が5年前のクリスマスイブに「2年待ってくれ」と言われたきり音沙汰のない恋人が“天樹勇太”であると判明。桔梗の大学の後輩であること、記憶力がすこぶる良いこと、父親が警察官であることなど、これまで少しずつ輪郭が形成されてきた“天樹勇太”という人物。今回バスのなかで繰り広げられた誠司と蜜谷の会話と、査子(福本莉子)による梅雨美への取材を通し、一気にその正体が見え始める。
かつては東京の所轄で働いていた警察官だった勇太。しかし6年前に警察幹部の汚職を偶然見つけ、それを公にしようとしたがために上層部から圧力をかけられ、汚職に関わった張本人にされてしまう。そこで勇太に目をかけた蜜谷は、警視庁内にあった彼の情報をすべて消し“勝呂寺誠司”としてアネモネに潜入させる。目的はもちろん、アネモネを壊滅させること。当初は1〜2年で済むと思われていたが難航し、千載一遇のチャンス(20時からの大きな取引)が近付いたなかで誠司は記憶を失ってしまう。それが第1話の冒頭の事件。そこで誠司に罪をなすりつけた人物が誰なのかは、引き続き不明のままだ。
いずれにせよ天樹勇太の正体が見えてきたことで、登場人物たちの立ち位置がはっきりとし、同時にそれぞれの関係にも変化が見え始めているのは一目瞭然。最初は対立構造にあった蜜谷とカレン(松本若菜)だが、“犯人が誠司ではない”とカレンが感じ始めたことで、いつしか蜜谷にとってカレンは唯一信用できる警察官となる。そして第5話で衝突したカレンと桔梗もまた然り。時生も、査子を助けてもらったことで誠司への印象が変わってきているように窺える。あとはこれまで誠司に寄せてきた信頼との狭間で揺れるミズキがどう動くか。それがこのドラマの終盤を大きく左右することだろう。
■放送情報
『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:二宮和也、中谷美紀、大沢たかお、江口洋介、佐藤浩市
【逃亡編】中川大志、松本若菜、中村アン
【地方テレビ局編】福本莉子、小手伸也、加藤諒、大水洋介、丸山智己、梶原善
【レストラン編】桜井ユキ、井之脇海、今井英二、栗原英雄
脚本:徳永友一
企画・プロデュース:成河広明
演出:鈴木雅之
主題歌:ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」
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