22年ぶりの劇場公開! 『ゴーストワールド』は最悪で最高な“ダサ良い”青春映画の傑作
そんな本作の衣装デザインを手がけているのが、『ラ・ラ・ランド』や『バビロン』などでアカデミー衣裳デザイン賞を受賞しているメアリー・ゾフレス。50回もの衣装チェンジを行った『ラ・ラ・ランド』でゾフレスとデイミアン・チャゼル監督が、シーンごとに「感情を伝える手段として色に集中した」(※)と語っているように、本作でもイーニドの感情とファッションの細かい変化に注目して観てみるのも面白いかもしれない。
個人的に興味深いのが、不思議な余韻が残るあのラストシーン。初めて観た時は、「まさかあの人物が伏線だったのか!」と予想外の展開に驚いたが、同時に今まで見ていた世界は現実ではなかったのかと思わせる奇妙な感覚さえ覚えた。もしかすると、あのシーンで終わるからこその“ゴーストワールド”なのかもしれない。本作をまだ観たことがない方も、観たことがある方も、今の自分の価値観とすり合わせながら、本作の世界観や思わぬところに張り巡らされた伏線回収の面白さをぜひ劇場で楽しんでみてほしい。
参照
※ http://www.cinema-life.net/p170206_llsc/
■公開情報
『ゴーストワールド』
全国公開中
出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロほか
監督:テリー・ツワイゴフ
原作:ダニエル・クロウズ『ゴーストワールド』(プレスポップ刊)
脚本:ダニエル・クロウズ、テリー・ツワイゴフ
製作:ジョン・マルコヴィッチ
撮影:アフォンソ・ビアト
編集:キャロル・クラヴェッツ=エイカニアン、マイケル・R・ミラー
プロダクション・デザイン:エドワード・T・マカヴォイ
衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
音楽:デヴィッド・キティ
配給:サンリスフィルム
©2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.
2001年/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/111分/原題:Ghost World/字幕翻訳:石田泰子
公式サイト:https://senlisfilms.jp/ghostworld/
公式X(旧Twitter):@ghostworld_jp
公式Instagram:@senlisfilms