『葬送のフリーレン』は切ないだけじゃない! “人類vs魔族”バトルアニメとしての面白さ

『葬送のフリーレン』バトル描写の面白さ

『葬送のフリーレン』第10話

 しかし『葬送のフリーレン』の見どころは、そんな強敵を打倒するためにエルフや人間が“裏技”を模索していくことにある。第10話ではフリーレンの師匠、大魔法使いのフランメが、魔族に対する“卑怯”な対抗手段を編み出したことが明かされていた。

 これは体外に放出する魔力を制御することで、魔族の油断を誘い、その隙を付いて相手を倒すという戦い方。魔力に強いプライドをもつ魔族にとって、自身の魔力を隠そうとすることは想像もつかない策だ。とくに魔族を欺くためだけに、一生をかけて魔力を制御するなどという行為は、アウラ曰く「わけのわからないこと」らしい。だが、だからこそフェルンやフリーレンは、それぞれ自身の力量を見誤らせることに成功し、強敵たちを圧倒することができた。

 また、あらためて振り返ると、第3話で描かれた“腐敗の賢老”クヴァールとの戦いも象徴的だ。80年前、クヴァールは人を殺す魔法<ゾルトラーク>を発明し、多くの人間を屠った。しかし人類は、クヴァールが封印されている80年の間に魔法を解析し、ゾルトラークを“一般攻撃魔法”として魔法体系に組み込んだ。

『葬送のフリーレン』第10話

 80年は魔族にとっては一瞬だが、短命な人間にとっては生涯すべてに相当するほどの時間。長寿ゆえに人間を侮る魔族に対して、人間は弱く、すぐに死んでいくからこそ、魔族への対抗手段を必死に編み出すのではないだろうか。

 今後もフリーレン一行の前には、強大な魔族が次々と立ちはだかるはず。そこでいかにして勝機を手繰り寄せていくのか、『葬送のフリーレン』の戦闘描写に期待が膨らむばかりだ。

■放送情報
『葬送のフリーレン』
日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」枠にて、毎週金曜23:00〜放送
キャスト:種﨑敦美、市ノ瀬加那、小林千晃、岡本信彦、東地宏樹、上田燿司
原作:山田鐘人、アベツカサ『葬送のフリーレン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤亨
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス
OPテーマ:YOASOBI「勇者」
EDテーマ:milet「Anytime Anywhere」
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
公式サイト:https://frieren-anime.jp
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Anime_Frieren

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