朝ドラ『ブギウギ』趣里と伊原六花の圧倒的なパフォーマンス! スズ子の初恋は実らない?

朝ドラ『ブギウギ』趣里の圧倒的な歌声

 『ブギウギ』(NHK総合)第30話では、スズ子(趣里)と秋山(伊原六花)が出演する梅丸楽劇団旗揚げ公演「スウィング・タイム」の幕が上がる。

 『ブギウギ』の放送が始まって1カ月。第6週まできて明らかなのは、その週の終わりである金曜日の放送回に歌劇シーンが描かれることが多いという点である。USKの大和(蒼井優)と橘(翼和希)がメインとなった「胡蝶の舞」に始まり、「四季の宴」「ラインダンス」「恋のステップ」「桜咲く国」と毎週圧倒されるのは変わらないのだが、今週からは舞台を東京の梅丸楽劇団に移していることも相まって、格段にレベルが上がっていることに驚きを禁じ得ない。

 秋山と中山(小栗基裕)の軽快なタップダンスの音が響く「スウィング・タイム」に続き、スタートするのはスズ子が歌唱する「ラッパと娘」。長いつけまつげに派手な化粧、赤い髪飾りをつけたスズ子は、ステージ前方で客席にアピールしていく。スズ子の全身を使った弾けるダンスに、バンマスでトランペッターの一井(陰山泰)が誘われるようにしてステージ中央へ。曲タイトルにもある“ラッパと娘”の構図が作られるわけだ。

 スズ子の本領が発揮されるのは、スキャットが多用される曲の中盤から。演じる趣里のしゃがれ声や力強く生き生きとした踊り、とびきりの笑顔に彼女自身もスズ子と一緒に成長しているのだということを感じながら、そこにあるのはコンビを組む善一(草彅剛)がアドバイスしていた、まずは歌うことを楽しく、そしてホットにという理屈抜きの根源的な表現の仕方。スズ子が劇団を引っ張っていく、客席までをも巻き込んで公演全体が躍動、つまりはスウィングしていくかのような、熱のこもったステージに観ているこちらも思わずリズムを取ってしまう、朝から目が覚めるような思いになった。

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